フリーのデザイナーが生き残る道とは?
目次
こんにちは。河野です。
今日も開封して頂き、ありがとうございます。
「フリーでデザインやイラストの事務所をしています。
なんとか仕事にはなっていますが、
ちょっと情熱はなくしてきているし、
自分の他のスキルも生かしたビジネスをしてみたいと思っています。」
土曜日は久しぶりに東京で勉強会でした。
勉強会そのものについては、
また編集後記や、別の会でもご報告をさせていただきますが、
はじめてお話させていただいた方の中でも
こういう悩みをもっている人は多かったです。
「今の仕事では食えるけど、
情熱はもうない。」
「今の仕事は食えているけど、
将来これでいいのだろうか?」
理由はいろいろあれど、
こういう感じです。
その中のひとつが、
さきほどのデザインとイラストをされている方のお話です。
実は、
ご本人とこの話を2次会でずっとお話していたのですが、
同じような悩みって驚くほど多いので、
今日はそのときの僕からの提言をシェアさせていただきますね。
業界も立場も違うと思いますが、
悩みの根っこが同じだったりしますので、
何かの気づきになるとうれしいです。
デザイン×イラスト×英語のフリーランスさんだった場合
悩みを整理するとこういうことになります。
・収益性の問題:デザイナーイラストレーターのお悩み
まず、単価もさがっているし、ライバルも多いし、
将来これでは食えないのではないか?
こういういわゆる将来性の問題ですね。
ご存知のとおり、
デザインというスキルは
グラフィックソフトの進化や、
クラウドソーシングのサービスなどで
簡単に安くデザイナーが探せるという背景で、
いっきに価格が崩壊してきました。
「デザイン」という仕事はなくなりはしませんし、
ある程度固定客からのリピート受注はありますので
安定した仕事をしていれば食えるは食えいる方も多いです。
とはいっても、
デザイナーが尊敬されていないという、
実に不愉快な現状ですし、
社長はほぼ9割デザインは買い叩くと思います。
デザイン事務所によっては
とんでもない高額なフィーを請求するところもありますし、
それだけ影響のあるものを作ったりもなさっているのですが、
そうじゃない人がレベルがすごく低いということでもないのに、
価格は崩壊しているといっても間違いじゃないと思うんですね。
となると、
収益性では夢もへったくれもなくなるような
感情になっていくわけです。
・やりがいの問題:デザイナーイラストレーターのお悩み
次にある悩みのポイントが、
・人の役に立っている感じがしない。
ということですね。
どういうことかというと、
デザインというのは本来「創造」であって、
「作業」ではないと思うんです。
簡単に言うと、
「作業」という扱いを受けているということですね。
たとえば、
イラストレーターやデザイナーの方で
おそらく今一番お金がまわっているのは、
スマホのゲームです。
広告収益を狙うタイプの、軽いゲームから、
アプリ内課金で顧客あたり収益(ARPU)最大にするようなゲームまで
とにかく大量に似たようなゲームが作られて、
例外なくキャラクターのイラストが必要になります。
そこでイラストレーターさんにも
仕事が定期的にくるのですが、
これは間違いなく「作業」としてしか
メーカー側は認識していない節があるんですよね。
「素敵なデザインで世の中をハッピーに。」
みたいなことを言っているゲーム会社人を
僕も見たことがありません。(笑)
「どうやってお金にするか?」
だけです。
別に何にも1ミリも悪くないのですが、
イラストレーターで自分の作品が、
「作業」として認識されて、
スーパーに並んでいる大量の白菜のように扱われるのを
気持ちがいいと思う人は一人もいないと思うんですね。
ここに最大の「やる気のなさ」が生まれるわけです。
僕がお話をお聴きした方は、
「世の中の役にたっているという感覚がまったくしない」
と表現されていました。
僕はこれを「手触り」と読んでいるのですが、
この「手触り」がないことが情熱を下げる元じゃないかなと。
デザインとイラストができる人だとしても、
ご本人は英語が堪能でした。
海外経験もある。
専門技能を持つ人は、
それだけ技能を得る技術や根気をもっているわけで、
複数の技能をもっていることも珍しくありません。
この場合、
デザインやイラストだけをしていることでは
「自分の可能性をしぼめているのではないか?」という葛藤が
常にあるのだと思うんですね。
そこでやはり、
「このままでは駄目だ。」という漠然とした悩みになっていくのじゃないかと思うんです。
僕がした提案をそのまま出していきますね。
1.フリーランスとして幅を広げる。:デザイナーイラストレーターの生きる道
フリーランスとして幅を広げる場合、
自分の経験やタグというのはたくさんあるほうが
受ける仕事やプロジェクトに幅が出ます。
たとえば海外に住んでいる人がいたとします。
アメリカ在住 × 国際結婚 × 子育て × バイリンガル
離婚 × ビジネスしようとしている × ビーガン
となっていくと、
国際結婚のコーチングサービスをするにせよ
ブログで自分メディアを作るにせよ
メルマガで共感者を増やすにせよ
圧倒的に有利なんですね。
今回のケースだと、
「仕事なのだから、そうでなければならない」ということもあって、
当然”デザイナー×イラストレーター”で仕事をしていると思います。
その仕事の中ででも、
この掛け算を露出(発表)していくことで
”面が大きい人”だと認知されていきます。
たとえば、
英語でポートフィリオを公開してみるとか。
英語圏のカンファレンスに参加して、
その様子をこれまでの取引先へレポートしてみるとか。
こういう小さい多面性の露出で、
依頼される仕事の中身が徐々に
「ただのデザイン」「ただのイラスト」から
離れていったりするのじゃないかなと。
人気のブロガーなどの
自分メディアを作る人にも多いのですが
コンテンツがもちろん秀逸なのはあたりまえとして、
多面的な個性がある人が多いなって思います。
自分の多面性を把握して、
それを段階的に露出しておく。
これで、
いわゆる仕事の幅が広がって
楽しいことがたくさんできるフリーランスというふうに
なるのじゃないかなと。
2.お金の流れを使って手触りを自分で作る。:デザイナーイラストレーターの生きる道
今度は[手触り」を得る方法について話してみます。
もしゲームのイラストだけを描いていて
その仕事の手触りがないとしたら、
その仕事そのものに手触りを感じるために
自分自身でプロダクトを作るって思いがちですよね。
ちょっと視点をずらして、
自分がその仕事に手触りがないから価値を感じないとしても、
別の人なら価値を感じてくれるのじゃないかと考えてみることなんです。
たとえば、
メキシコのイラストレーターで
どうしても仕事がしたい人がいるとします。
単価も日本よりそもそも安いとしたら、
彼らにとっては「たたかれている」感覚は少ないでしょうし、
「手触り」を求めなくても価値は感じてくれる仕事かもしれません。
主婦の人でも、
そういう仕事にリーチできない人も、
同じことがあるかもしれません。
これを英語力を生かしてマッチングさせるようにすれば、
仕事そのもの意義は出てくるというか、
意義を感じるポイントも増えるのじゃなかと思うんです。
お金は発生しているわけですから、
そのお金をどう流すかということで
価値を感じる方法を考えるということも
ありえるって話なんですね。
もしくは、
フランスとか欧州で
日本テイストのイラストを描きたい人向け
それで仕事したい人向けの教育プログラムも
できるかもしれません。
3.デザインとかイラストはただのタグでいい。:デザイナーイラストレーターの生きる道
最後のこれが本丸かもしれません。
いっそのこと、
デザインやイラスト、
さらにいえばフリーランスという看板を、
もうおろしてしまうという方法です。
なぜかというと・・
”デザイン×イラスト”
これは食うためにやってきたし、
そのスキルもある。
でも本来の自分のよりどころは、
英語を話せることであったり、
英語圏にすんだという経験だったりすることがあるんですね。
そうであれば、
・英語
・外国
といったタグでビジネスをするほうが
よほど「手触り」があるのじゃないかなと。
その中で
”英語”は非常に使い道があります。
とりあえず、
日本で体験できる海外体験のサマースクールを企画してみたり、
単純に人気の年のサマースクールから初めてもいいかもしれません。
日本語にローカライズしたい海外企業の
日本市場のマーケット支援の仕事を請けてもいいかもしれません。
英語を学んだことを
いかに有効に使いライフスタイル
ワークスタイルを作るかといったコーチングもできるかもしれません。
ここに残りの2つ
”デザイン×イラスト”のタグも生かせてくるわけです。
・まとめ
どうでしょうか?
自分に置き換えると「あるある」な話じゃないかと思っています。
共通することは
”自分のタグを外す。”
ということになるんですが、
先日話した方は英語というタグから広がっているときに
表情が「ぱ!」と明るくなられている気がしました。
”自分のタグを変える”
ことで一番「ざわ!」とすることを
大事にしてもいいかもしれませんね。
マレーシアにいたら
マレーシアのものを日本に売るとか
日本のものをマレーシアに売るとかも
”マレーシアにいる”というタグを
固定しているかこそビジネスを茨の道にもっていってしまうと
思うんですね。
ぜひ、
”タグをはずす”
”タグを増やす”
”タグを入れ替える”
これでこれからのわくわくして
取り組めることも増やしてみて欲しいなと。
今回のトピックは、いかがでしたでしょうか?
このメールにそのままお返事いただくと僕が直接全部お返事しますので
感想、ご質問、ご相談など、ぜひご連絡くださいね。
今週の雑談
勉強会で、
「嫁さんとか家族を説得しにくい」
というお話がありました。
こういう悩みもあるあるですよね。
人それぞれ状況がありますから
偉そうなことはいえませんが、
僕が思うのはひとつ。
「絶対やるから安心して。」
というハッタリというか覚悟の言い切りが
すべてを決めるのじゃないかなと。
「まだ何するか考えてないけど
うまくいくかもしれないけど
やってみたいのだけど。。。」
みたいな感じだと、
「そんなの大丈夫?」
と反論したり反論されるのじゃないかなと。
そして、実際行動力がないと見えると、
「やっぱり、悪いことはいわないからやめとけって!」
となっちゃうと思うんですね。
「絶対やるから大丈夫!」
↓
「そうなりそうな勢いでやる!」
この順番が大事で、
「なれるものならなりたいの・・・」
↓
「どうも行動している風ではない・・・」
これが説得できないほとんどのパターンじゃないかなとも
思うんですね。
編集後記
東京勉強会
無事終了しました。
ものすごく興奮した
楽しい一日でした。
そういう日は興奮して眠れないものですが、
倒れるように寝てしまいまいました(笑)
というのも、
40名近い人のすばらしいエネルギーをもらったんで
体と脳が相当疲れただけだったのかなと。
それくらいとてもよい会にしていただけました。
懇親会にほぼ9割がご参加いただけて、
その後の任意の2次会にも19名起こしいただけました。
そのおかげで
おひとりお一人も
お話する機会もいただけたのですが
みなさん思い思い夢があり、
苦闘がありと、すこしでも役にたちたいなと思うとともに
僕自身もとっても刺激をたくさんいただけました。
なにより、
いつも賛同して参加くださるメンバーさんに感謝です。
シンガポールやタイから、
大阪、九州、新潟、栃木、長野など
遠方からお越しいただき、
いつも盛り上げていただけて、
本当僕、僕らは恵まれています。
またやります。
いつもいつも感謝です。
次は
シンガポールと
フィレンツェを予定しています。