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顧客は絞り込まず差別化しないほうがよい理由【第668回】

経験も資金も何もない僕らがビジネスで勝てる唯一の方法。

それは「ランチェスター戦略」という名前で広く知られ実践されてきました。

その中でも有名なのが「顧客を絞り込め」という戦い方です。

・エリアを狭める。
・商品を絞る。
・対象顧客層を絞る。

こういうこと。

これは大手が数多くの広い顧客層、数多くの取り扱い商品の一つには資源を集中できないのに対して、
弱者はここに1点集中することで勝率を上げようという意図からです。

簡単に言うとある小さい町の家を毎日毎日訪問してリフォームの御用聞きをしている会社には、
広くチラシを巻いたり、広告を出している大手では営業力で勝てないといったことですね。

僕も起業前に「ランチェスター戦略」を知って、
実際”海外在住者”という顧客層に絞り込んだ経緯があります。
おかげて食えるようになりました。

周りを見てもこの戦略を取る人は多いし、依然効果的なのだと感じます。

”小さいお子さんがいるお母さんの為の○○”
”50代の為の○○”
”骨盤矯正に特化したマッサージサロン”

巷で見かけるこういうのは全部そう。

ただね。顧客は絞り込んだらいいってもんでもありません。
絞り込む方が良い場合と、絞り込むことでかえって負けることもあるんです。

ということで今日は顧客絞り込みについての是非をお話します。

YouTube動画とPodcast音声と文章版でどうぞ。
*メール下部に文章バージョンもおつけしています。*

 

動画で見る|顧客は絞り込むな。

文章バージョン続き|顧客は絞り込むな。

ちなみに顧客を絞り込むといっても、
ビジネスモデルそのもので顧客を絞り込むケースと、
コピーライティング/メッセージとして顧客を絞り込むケースがあります。

今日話題にしているのはビジネスモデルそのもので顧客を絞り込むケースでの是非です。

なぜならコピーライティングとして顧客を絞り込むっていうのは、
もし失敗しても「その広告やランディングページ」が失敗するだけなんて
致命的にならないからなんですよね。

逆に成功すれば効率的に顧客が集まるので、誰がやるにしても多少はやったほうがいいと思います。

たとえばあなたが「ハンドメイドアクセサリーの講師養成講座」を売ってるとして、
ある広告クリエイティブに「小さなお子さんを抱えて、これから手に職をつけたいママさんへ」
みたいなメッセージや特設LPを作るのは大いにやるべき。

でもこれだけだと対象も小さいですし失敗することもありますから、
「これからの人生をもう一度輝きたい50代以上のお母さんへ」こういうのもテストしておきたいところです。

僕もオーダースーツECで使った広告クリエイティブやLPのコピーには、
「スーツがいつもブカブカの背が小さい人や、ぴちぴちになるアスリートの方へ」
というものを使って反応をとっていました。

そうじゃなくて、ビジネスモデルそのもので顧客を絞り込むとなると全く話が変わります。

スーツの例で言えば「背が低い人専門のオーダースーツショップ」ということになりますよね。

ハンドメイド講師養成講座で言えば「小さいお子さんを持つママ専用の講座」ということになりますよね。

この場合、成功するには満たしていなければならない条件が出てきます。

ちょっと説明しますね。

1、対象客の規模が大きい。

当たり前ですが、絞り込んだとしても対象客が大量にいなければ単に売れないだけです。
そして食えるくらいの売上になりません。

オーダースーツの場合背が小さいと思う男性だけでも少ないのに、
さらにオーダースーツってことになるとさらに小さくなってしまいます。

もちろん対象客が100名しかいなくてライバルは0だった場合と、
対象客が1000名でライバルが100社もいる場合だと前者のほうが顧客がたくさんとれそうです。

でも100%の対象客は意外と獲得できなくて結果的に100名中20名が顧客になるってことになりがちです。
一方1000名も顧客がいれば50名が顧客にすることで可能だったりするんですよね。

これは弱者の戦略以前にビジネスとして成立しないということです。

2、対象客を見つけることができる。

対象客を絞ったはいいけどピンポイントで狙えない場合は、
見つけるだけで広告費が倍以上かかるので弱者の戦略になり得ません。

たとえば背が低い男性って明確に探せないものです。
飲食店勤務の方とかいう絞り込みだとしても同じですね。

3、絞り込むことで対象客のメリットが明確に説明できる。

最後が一番重要なのですが、絞り込んだことによる顧客側のメリットです。

たとえばオーダースーツを背が低い男性って絞ったとします。
でもオーダースーツってそもそも背が低い男性でも高い男性でも
合わせて作るので背が低い人に絞ったメリットはほぼありません。

あるとしたら使う布が少ないから安いとかですがそれほどの原価の差はありません。

ママ向けのスクールとした場合もそうですね。
たとえばベビーシッター付き教室とか、子供預かり室がある教室とかなら明確です。

だけど「ママにこそやってほしい」みたいなふわっとした理由だとしんどいです。
そもそも差別化になってませんし、それならコピーパターンの1個として訴求するだけで十分かと。

でも女医さんしかいない産婦人科とか、
女性インストラクターと女性客しかいないプライベートジムとかの場合は、
男性がいると怖いとか、男性がいると躊躇するって対象客の悩みを明確に解決しているからこそ絞ってる意味があるんですよね。

50代から婚活とか、マッチングする相手と年齢が全然合わないて悩みを解決しているからこそ、
絞り込む意味があるわけです。

これら3つの条件を満たしていれば、顧客の絞り込みは
ランチェスターの戦略を忠実に守っていると思いますし、弱者でも有利にビジネスを進めることができています。

そして規模も大きくなります。

逆にこれらの条件を外していると、単に顧客が来ないという残念な結果になってる人が多いと思うんですよね。

そして悲しいことに、顧客を絞り込もうと思っても自分のビジネスでは、
これらの条件を満たしていない場合のほうが多いです。

その場合は、無理に絞り込まずに広いマーケットを狙うほうが絶対に効果が楽に得られます。

というのも、やはり対象が広いというのは大きなメリットなんですよね。

1万人の対象客がいて、大手も含めて100社以上がライバルだとしても、
トップシェアは無理でもおこぼれで1%とかの顧客は手に入るってことです。

よくレッドオーシャン、ブルーオーシャンとかと言われますよね。
だからこそ差別化とか絞り込みとかって呪縛にとらわれる起業家が多いとも想像してます。

でも、そもそも巨大な海は僕ら弱者にも獲物を分ける余裕というか鈍感さがあるってことも
知っておいたほうがいいのかなと。

なのでもし差別化という強迫観念に駆られて顧客の絞り込みがしたくなったら、
一度冷静に考えてみて欲しいんです。

めっちゃ大きな池でおこぼれで収穫を得るのと、絞り込んだ場合の収穫をです。

絞り込めると戦いがめちゃ楽ですが、楽ってことは条件にあうのはレアなケースなんです。
多くの人はその条件を満たせないはず。

きっと大多数の人はおこぼれのほうが効果が出るって結論になる気もするんですよね。

であれば、素直におこぼれ作戦がいいのじゃないかと思います。

それでも絞り込みたい、差別化したい病に囚われると
まずはメッセージの一つとしてテストしてみることをおすすめします。

てことで「絞り込み」や「差別化」の必要性に囚われてるとしたら、
いったん冷静になってみてくださいね。

ーー動画だと、もっと詳細に語っていますので、
深く理解したい人は、そちらもご覧ください。

【雑談】俺の話を聞け!

中学の卒業式に参加してきました。
正確に言うと中高一貫なので卒業証書授与式。

別れとかはないからいわゆる行事です。

当然最後は恒例の校長先生のお話しでした。

しっかり練り、準備をして、原稿も書きこんでいらっしゃたようで、
とてもよくできたお話でした。

”日本の中学校の卒業式の祝辞”としてはたぶん100点。

でもね。

長い!

10分以上だったと思います。

そしてつまんない!

そう、僕にとっては長いしつまらなかったんです。
ま僕に話している内容じゃないから当たり前なんだけど
そもそも僕は先生というものに偏見をもってる偏屈者だから余計にです。

しかもその日はWBCの決勝の真っ最中。
終わったらそれを見たくてしょうがないわけです。

でもね、ふと気がつきました。

会社員だった頃は、上司や社長とかのつまらない長い話を殊勝な顔して
長時間聞くことなんてへっちゃらでした。

もっともらしく途中で頷いてみたり。慣れたものでした。

でも起業して15年以上。

もう「興味のない話を長時間聞く」と言うことができない体になってしまったんだなってことにです。

いいことなのか悪いことなのかはわかりませんが、
そんなことに気がついた春の日でした。

あ。もしくは単なる加齢/老化かですね。

では。

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