いろいろやって失敗する人。じっと動かず成功する人。【608回】
目次
欧州に住む、ある女性の話。
行動力があり、とても勉強熱心な人です。
彼女は、ある日オーガニックコットンのベビー用タオルを売ることにしました。
品質も良くて、肌にやさしい。ギフトとしても喜ばれそうな商品を見つけました。
日本に販売していない。小さい小さいブランドですから、
仕入れもとても安くすてもらえました。
ネットショップもshopifyで自分で作りました。
商品写真も素人ながら、いろいろ調べて撮影してみました。
商品登録やバナー作成など苦労して、なんとか完成しました。
できるだけ早く結果を出したかったので、
勇気を出してGoogleの検索広告を出してみました。
キーワードは「オーガニックコットン ベビー タオル」
広告文も「産まれてすぐのデリケートなお肌にも安心なオーガニックコットンタオル」
みたいなの。
予算は1日1000円くらいです。
3日経過しましたが、1つも売れません。
不安になった彼女は、広告のキーワードと広告文を「ベビー用品 ギフト」に変えてみました。
それと同時に、商品ページも気にいらなかったので、大きく変更してみました。
さらに2日経過しましたが、1つも売れません。
もしかしたら、商品が悪いのかもしれないと思って、
サイトにオーガニックコットンの婦人服や子供服もいくつか追加して、
ショップ名称を「オーガニックコットンショップ」に変更しました。
変更するのに3日ほどかかりました。
翌日、よく考えたら送料を含めてしまうと、今の価格だと利益がでないことに気がつき、
価格を10%程度値上げしました。
それからも、気になることがあるたびに、いろんなことを変えていきました。
サイトのデザインを大きく変えてみたり、
広告のキーワードを「ベビー服」に変更してみたり。
いろいろやっています。
相変わらず商品は売れませんでした。
オープンしてから数えると、2週間ほど経過しています。
そこで彼女は思いました。
「このビジネスはダメなのだろうか?」
「これ以上”何をすればいのだろうか?」
これは実話です。
そして、よくある話。
経験がある人もいるかもしれませんね。
ビジネスは手数が成果を決めます。
いろいろやらないと儲かりません。
これは大前提。
でも、彼女の場合はその逆です。
「いろいろやったから」うまくいかったんですよね。
なぜか?
今日はそのあたりの話をします。
・いろいろやってるけど儲からない人。
・いろいろやってるけど儲かってる人。
どちらの場合もまー聞いてみてください。
今日もYouTube動画とPodcast音声と文章版でどうぞ。
*メール下部に文章バージョンもおつけしています。*
動画で見る|いろいろやって失敗する人。なにも動かず成功する人。
文章バージョン続き|いろいろやって失敗する人。なにも動かず成功する人。
例えばチキンのソテーを作るとします。
作り方はこんな感じ。
鳥もも300gに塩・コショウを小さじ半分と片栗粉小さじ1杯をまぶします。
サラダ油で中火で5分焼いて、裏返し。
酒を大さじ1杯入れて蓋をして蒸し焼き5分。
完成。
これがベースです。まーまー美味しいはずです。
ただ、もっと美味しくしたい時てどうします?
コショウを倍に。にんにくを1切れ。
醤油をちょろっと、サラダ油の代わりにオリーブオイルにしました。
でも明らかに味が落ちてます。
次は、サラダ油に戻したけど、ニンニクの代わりにオイスターソースを入れました。
いまいちです。
・・・・こういうことを繰り返してると、美味しくするのすごいむずいと思うんです。
そして、次にどうすれば美味しくなるか?を明確に導くのも不可能だと思うんです。
だって、パラメータっていうか、変えたポイントが多すぎて、どのせいで不味くなってるか?
どのせいで味が変わったのかが判断できません。
サラダ油とオリーブオイルを入れ替えたらどうか?
他はまったく同じ。
ニンニクだけ追加してみたらどうか?
他まったく同じ。
こういう改善をして、その都度味を確かめないと答えに辿りつかないと思うんですよね。
いろいろ試すことは大事なんだけど、
試す要素は1個しか変えない。増やさない。
そして、それを必ず味見して確認する。
また1個だけ要素を変えるか増やすか減らす。
そして、それを必ず味見して確認する。
ここまでのサイクルをいろいろやらないといけません。
■テストは1個づつ必ず結果を確認すること。
先ほど例に出した女性が、いろいろやりすぎてうまくいかない理由も、これと同じです。
最初にキーワードは「オーガニックコットン ベビー タオル」
広告文も「産まれてすぐのデリケートなお肌にも安心なオーガニックコットンタオル」
としてサイトもオーガニックコットンベビータオル店だったんであれば、
そのまま「待つ」ことが重要です。
せめてこの条件で広告費を1万円くらい使うまでは待つ。
味見です。
売れないときにはじめて変えます。
でも一度に変えてはいけません。
・価格を下げるだけ。
・ページを変えるだけ。
とか。
キーワードと広告文をギフトにするなら、
サイトもギフト用であることを強調した表現に変えてみます。
でも他は何も変えてはいけません。
そこでさらに1万円分広告費を流してみるわけです。
味見してみるわけです。
つまり、彼女はやったアイデアは全部ただしいテストだったし、
行動力もすばらしいものを持っています。
成功する要素が満載なんですが、
唯一「待つ」ことができなかったんですよね。
”彼女”とは僕のクライアントさんのことなんですが、
それに気がついてからは、変更点のアイデアは1個づつ実行して、
結果を見るまで待つことにしていきました。
もともと行動力のある真面目な人です。
成果が順当に出たことはいうまでもありません。
だって、やればやるほど成果が出るのがネットビジネスですから、当然の結果だったのかもしれません。
特にインパクトの大きそうな変更は1個づつ実行して、変化を確認してから次にいかないと、
わけがわからなくなります。
成果が出たら出たで、どのおかげでうまくいってるか知らない間抜けな感じになりますし、
業績が落ちた場合も、ただただ焦り、混乱します。
特に広告のメインキーワードとか、ターゲットとか、広告文。
LPのキャッチコピー、購入(請求)ボタン周り。
そして価格。限定性。
このあたりは特にちょっと変えるだけで結果が変わることがあるので
一度にぐわーって変えないほうがいいんですよね。
逆に言えば、この手順を守ってさえいれば、
ガラクタがお宝に変えることもできるってことでもあるんですよね。
■適当にいろいろやって結果も見ないのに成功する人。
まあ、ここまでは僕のような凡庸な人の話です。
何か「もってる人」なわけじゃありませんから、理屈で成果を出すしか方法がないからです。
でも世の中には、こんなこと一切関係なく成果が出る人がいます。
先ほどの女性とは違う女性の話をしましょう。
彼女はやってるビジネスも複数あります。
サービスや商品も複数あります。
なぜなら、思いつきでどんどんリリースしちゃうから。
そして相当高い確率で全部、収益になっていきます。
もちろん大きい売上のもの、小さいものはあるけど、持続してます。
じゃ、1個1個アイデアを試して、1個1個変えて検証してるか?
味見してるか?というとそんなふうには見えません。
「この前出したあれがこうだったから、変えてみたんですか?」
こう質問したら決まって、こういう答えが返ってきます。
「そうだったっけ?もう覚えてないわ。」
ちなみに、決して運がいいとか、そういうことじゃないんです。
言語化できてないだけで、何をすればいいか?の嗅覚が鋭いんですよ。
つまり、才能。
といってもこれまでの人生や経験によるものだろうと思いますが、
何にしても「持たない僕にとっては」羨ましい人です。
話を戻しましょう。
こういう人の場合は、先ほどいった1個1個試すってことは逆効果です。
嗅覚があるので、思いつきでどんどんやったほうが成果が上がるんですよね。
論理的な答えの出し方よりも、
閃きとか?嗅覚のほうが重要なんです。
だから、こういう人をコンサルするとき僕は論理的な思考をせよとは進言しません。
それより思いついた時に、一気にリリースできるようなスタッフを抱えたり、
スタッフをマネジメントするほうに力を注ぐ方に力を入れます。
アイデアを即時実行できる組織を作るほうが有効なんです。
そして具体的施策とかで、テストして答えを出していくようなことが必要な場合は、
僕が直接答えを導きます。
それか、それができるようにスタッフさんにその教育をするようにしてます。
アイデアそのものを当てる才能を持つ人なら、そのほうが効率的だからなんですよね。
今日の僕の話を聞いて、どう感じましたか?
A:私もいろいろ”やりすぎてるから”うまくいかないのかな?
B:私は、思いつきだけど、結構うまくいってるから気にしたことなかったなー。偶然なのかな?
Bの人は才能を持つ人かもしれません。
少なくても2個当てたか、
1個だけでも何年も持続しているとしたらそう思って間違いないです。
その才能を大事に、実行できる環境作り、取り巻き作りを準備するといいですね。
Aの人は残念ながら?僕と同じ非凡な人です(笑)
ぜひ1個変更、検証、1個変更、検証、を繰り返してガラクタを宝ものに変えていきましょう。
ーー動画だと、もっと詳細に語っていますので、
もっと理解したい人はそっちもご覧ください。
ではでは。
【雑談】詐欺にあいました。
先日、米国で建築関係のビジネスをするAさんから、
背筋がひやっとする話をお聞きしました。
内容は「詐欺に会いました。」というもの。
お聞きすると直接の被害ではなく、取引先の話なんだそうです。
かいつまんで説明します。
Aさんの仲介で
B社とC社 が取引することになりました。
B社からA社が建材を購入する取引です。
売買価格は日本円で1億円強。
B社の担当者とC社の担当は、zoomやメールでなんどもやりとりを重ねて
商談はまとまりました。
そして最後にC社の担当者から請求書がメールで届いて、
B社の担当者は指定の口座へ送金しました。
が、その後C社から、支払いがまだ行われていないと催促の電話がありました。
B社の担当は、何かの行き違いだと軽く考えていましたが、
調べてみると、送金した口座はC社のものではありません。
やりとりの中で、口座名が違うのは、関連会社だからだと言われていたのですが、
そんなことはC社は知らないと言っています。
つまり、誰かに1億円持去られたわけです。
その後FBIの操作が入りましたが犯人の特定はおろか、お金はまず戻ってこないだろうとのこと。
・・・不思議ですよね?
なぜそんな大金を知らない人へ送金したのか?
経理が間抜けなのか?
この手口は、「ビジネスメール詐欺」と呼ばれる手法です。
カラクリはこうです。
BとCが取引していることをどこかで知った犯人が(たぶん内部情報かハッキング)
BとCのメールに途中で介入するんです。
当然Cの担当者本人のふりをしてです。
メールアドレスも偽装してあります。
言葉の言い回しもコピーしてるので受け取った人は、
まず気がつきません。
そして、仕事の中のことにも触れてくるんですよね。
つまり、なりすますんです。
そんな人から、「ここにこういう事情で振り込んでくれ」ってメールがくるんで、
「詐欺かもしれない」と最初から疑ってない限り、多くの人が騙されるそうです。
外から聞いてると、
「そんなの口座が違うんだから気がつくでしょ?」
と思うからしれませんが、口座名が違うことなんてよくあることです。
担当者だと思いこんでいる人から言われたら信じちゃうと思うんですよね。
たとえば、このメール。
僕からじゃないかもしれません(笑)
詐欺師が僕になりすまして、クラウドファンディングを募集したら、
いい人なあなたは寄付してくださいますよね?
そんな感じ。
幸い僕のクライアントさんは、直接被害に遭われてないので
幸いでしたが(不謹慎ですが、本音としては仲間は詐欺に合わなくてよかったと思ってます。)
にしてもです。
映画のコンフィデンスマンを見てるぶんには詐欺師に好意的になるけど、
真面目に働いてるのに、やられる方からすると、ほんとムカつきますよねー。
でもムカついても詐欺師はいなくならないし、
冷静になるしかないのですが、この件での教訓はこんな感じかなと。
・ビジネスメール詐欺の手口を知っておく。
・金銭の話がある場合は送信元メールの認証情報をチェックする。
・口座名が違う場合は複数名の窓口に連絡して裏をとる。
・口座送金ではなく、できるかぎりカード決済にする。
(カードは詐欺だとチャージバックされます。)
たぶん、一番効果あるのはメールの認証情報のチェックですね。
でも、ビジネスメール詐欺って「こいつらから奪う」と狙い撃ちしてくるみたいなので、
富を見せびらかさないとか、そういう外堀を埋めることも大事だったりもしますよね。
てことで、気をつけましょうね。