スタッフの能力が低くても困らない方法【619回】
目次
「河野さんはドライで冷たいですね。」
クライアントさんから、たまにそう言われることがあります。
で、こう評される時の話題は確実にスタッフについての悩み事、困りごとを議論している時です。
僕の本性がそもそも”冷たいやつ”なのかもしれませんが、自分では日頃から善き人あろうと生きてます。
で、クライアントさんにも善き人であろうとしてるわけですが、
そうしようとすればするほど、100%クライアントさんの味方になろうとするわけです。
すると、どうなるかというとですね。
”味方を困らせている相手”(時にはライバル企業や、時には問題のあるスタッフや傲慢な取引先)に
牙を向けるというか、温情のない考え方をすることがあるわけですよ。
そして、スタッフの悩み事を抱えてる経営者側を助けようと思うと、
一番の解決策はスタッフに対してはめちゃくちゃ冷徹なアイデアを提案することになりがちです。
それを受けての「ドライな人ですね。」という評価につながるってオチです。
(オチでもなんでもないけど)
僕だって、いろいろ試しましたよ。そりゃ。
関わる人すべて。縁を持てた人すべてが幸せになれる方法ってやつをです。
めっちゃ考えました。めちゃ実践したし、してもらったりもしました。
が、どうしても正解は、ドライに見えるものに行き着いちゃうんですよね。
てことで今日は”ドライ””冷徹”バージョンでスタッフに困ってる時の対処法をお話しします。
動画で見る|スタッフの能力が低くても困らない方法
文章バージョン続き|スタッフの能力が低くても困らない方法
これから話すことは本当に冷たい考え方です。
3流のテレビドラマなら悪役がやりそうな対応。
が、ある意味「正解」だと思ってますんで、本気で解決したいとしたら耳を傾けてみてください。
まず、スタッフの困りごとの中で代表的なパターンを示してみますね。
■遅い。忘れる。ミスする。
一番多いのはこの困りごとだと思います。
頼んだ仕事の納期を全然守らない。
催促するまでやらない。
仕事の手順やルールを覚えない。
同じことを何回も何回も質問する。
不注意のミスが多すぎる。
ルーティンワークが端から漏れている。
すぐ休む。
チャットなどのレスが遅い。
真面目な社長は自分の方に問題があると思ってしまいます。
マニュアルがないからなのか?
まだ慣れていないからだろうか?
一人二人こういう人が続くと絶望的になってしまいます。
でも、理由は単純でして、社内になんてありません。
マニュアルの問題でもありません。
その人の能力不足です。
単純作業だとしても、当たり前のことができない人は存在します。
差別してるんじゃないですよ?
残念ながら知識労働者として能力が相対的に低いってことです。
なので解決策を内部の手順とか時間に求めてはいけないんですよね。
バーレボール部に入っても小さい僕は永遠にスパイクが打てないのと同じです。
その場合どうするかはもうわかりますよね。
”すぐに””今すぐ”入れ替えます。
■臨機応変に対応できない。
能力不足ではない例外もあります。
それは、過度なスキルが必要な業務を担当させてるケースですね。
よくあるのは、顧客や取引先への個別対応。
個別対応ってことは、ルールや制度面が明確じゃないから、
発生都度、対応方針や返信の文面を考えなければならないようなケースですね。
とてもお怒り感情的になってるクレームであったり、
ルーズな取引先が納期などをミスしないようにするきめ細かなフォローであったりです。
この場合に限っては、内部に問題があります。
単純に「そんなことあなたのスタッフにはできない」ということ。
いや誤解がありますね。
以前のスタッフはできたかもしれないし、知識労働者の中にはいくらでもできる人がいます。
が、あなたが払ってる給与、あなたの会社の知名度、そこで採用するスタッフには
その技能を求めても無理があるってことですね。
その場合どうするかも単純です。
臨機応編な対応が必要な制度をなくすことです。
取引先がルーズなら取引先を変えるか
取引先がルーズでもいい運用に変えます。
お客様対応に臨機応編がことが起こり得るなら、
発生しないように売り方、規約、全部変えてしまうべきです。
クレーム対応が出るなら、クレームがでている元になってる制度をなくすとか
変えるべきなんですよ。
例えば、納期を早くして欲しいお客様がたまにいるとします。
で、スタッフがこの約束を忘れたことで確認やクレームが発生しがちだとしますよね?
その場合は、忘れない仕組みを作るのも大事だけど、
そもそも納期を短くできないってルールに統一してしまえばいいわけです。
または忘れないようにするんじゃなくて、納期管理を自動化するかですね。
とにかく「複雑な処理をさせようとしない=複数人でミスが多発する時点で制度が悪い」と考えてみて欲しいわけです。
■不平・不満が多い。
次にありがちな困りごとは、物言うスタッフ。
これも相当気にする社長が多いです。
待遇のこと。
会社のスタンスのこと。
社長の性格のこと。
以前の会社と比べて悪いところ。
同僚の悪口的なこと。
言ってる人はきっと真剣だろうし、角度によっては正しいことを言ってるのかもしれません。
なんとかしてあげたいのはやまやまなんだけどね。
あなたの会社のステージでは、”そんなこと”聞いてる余裕はありません。
そして正直その対処をしてあげたら、そのスタッフのコミットが最大化することもありません。
売上が伸びるとか利益が増えることもありません。
売上を増やさなきゃ!と夜な夜な考えてくれたりもしません。
しかも、売上を増やすためにやることは山積みです。
そうなると必然的にそういうことは排除するしかありません。
解決策はこれまた単純。
”その人にとって不満がない会社”に移ってもらうほうがお互い幸せです。
そして、不満をおっしゃらないスタッフに入れ替えるのみです。
もちろん社長に原因がある場合があります。
それは不満をいたかせてるからではありません。
期待を抱かせているからです。
採用の時にかっこつけてるはず。
「あなたのスキルアップの手助けをしたい。」
「アットホームな職場です。」
「働くママをサポートします。」
「お客様とスタッフ全員を笑顔にしたい。」
我々のステージでは絶望的にそのようにできてないはずなので、
思ってたんと違うってなるのは必然だと思うんですよね。
最初からそんな期待を抱かせルような雇い方をするのはアンフェアです。
そのほうが不誠実で冷徹じゃないかなと思うんです。
だって出来もしないことを言って騙してるわけだし。
もっと誠実になればいいのじゃないかと思います。
・これはただの仕事です。
・スキルアップの場所をこちらから提案する余裕はありません。
・スキルアップを望まれる場合は、業務の成果を鑑みて適切だと思えばレベルをどんどん上げることは可能です。
・それでよければぜひ力を貸してください。
・約束は守ります。
こんな感じに、なんの面白みもないけど、事実を述べて採用することで、この手の問題は相当防げます。
もちろん、自律的に稼働する組織は憧れですが、そういう人材を集めることができるようになってからの話ですね。
■売上を上げてくれない。
最後にあげる例は、社員やビジネスパートナー的な人にありがちです。
特にBtoBで卸先とかを新規開拓してもらうために雇い入れた営業職の人とか。
マーケティングで売上を倍増してほしくて雇い入れたマーケッターとか。
SNS担当とか。
はたまた、スタッフの管理をしてもらうためのマーネージャー的な人とか。
こういう方からこう言われたりします。
「もっとお金使ってくれないと・・・業者に依頼できない。」
「今の業務が忙しくて手が回らない。」
簡単にいうと、役不足なんです。
マーケティングを業者に頼むなら、きっとやや高めであろう給与のその人は不要だし、
日常業務で忙殺されてるなら、本来の職務に自信がないので実務に逃げてるのだろうと思います。
別に悪いことじゃないと思うんです。
ただ能力が足りてない人を当てはめてしまっただけの話。
これも解決は簡単で日常業務のスタッフに格下げ?するか、
やめていただくかしかありません。
てか、小さい事業をしていてコアになるマーケティングや、営業で能力の高い人はまず拾えないと思っておくほうがいいと思います。
それならもっと明確な販売代理店や卸先を見つけるほうが確実じゃないかと。
だって割安の給与であっても、歩合制であっても、自分の力で僕、あなたの会社の商品を売りまくれる人は、
僕らの風上にならずに、自分でやってると思います。
■解決策は結局ドライなものになる。
ここまでで一気に何の工夫もないことを言いましたが、これで全部です。
スタッフの困りごとはほぼ2つで解決できます。
1 適切な人に当たるまで入れ替える。
2 その業務をなくしてしまう。
この2つ。
マーケテイングの立案と指示は結構会社が大きくなるまで自分の仕事だと受け入れる。
運用面で複雑なものはなくしてしまうか自動化する。
困りごとがあるスタッフさんは入れかえる。
これしかないと思うんですよね。
なので重要なのは、決して、育成とか、マネジメントとか、価値の共有とかが大事なのじゃありません。
入れ替えのしやすさです。
いかに、採用プロセスをテンプレート化できるか?いかに業務説明を自動化できるか?
ここが大事です。
そうすると、複雑な運用はなくすとかも、業務説明の自動化につながります。
あ。もちろん反論も多いと思います。
なんて冷たい考えなんでしょうね。
自分でも呆れます。
でも別に冷たいわけじゃないんですよ。自分では。
スタッフってのは家族だし、ありがたい存在です。
弱小な自分のことを助けてくれるんですから(そしてそんなに高給じゃないのにです。)
僕は少なくても今のスタッフさん、クライアントさんのスタッフさんには
とても感謝してます。
よくできる人ばっかりです。
が、仕事のスキルや約束、お互い期待していることがマッチしてない場合は、
その人を成長させること喜んでもらうことなんてそもそもできません。
だって、その人に合わせて余計なコストや時間を取れる余裕がないといけないからです。
しかも、マッチしない、フィットしないスタッフさんからしても、その人が自分の会社で成長したり、喜びを感じたいと思ってるかはわからないし、
他ならもっと早くできるかもしれないです。
相手のためにもバッサリ切ることは、スタッフさんの為に大事でもあると思うんですよね。
困り事が起こったスタッフさんが悪いんじゃないんです。
どんなスタッフでもかかえこめる余裕のない零細ビジネスの我々が悪いんです。
じゃ、できもしないことをできるかのように引っ張るのもまた不誠実ですよね。
これはすべての人を幸せにしたいって理想だけを掲げてる詐欺師みたいなものです。
そして、おそらくだけどネットビジネスを選んでる人って、ねっとりビジネスしたい人じゃないと思うんです。
人間に期待しすぎたり、依存してないからこそ、オンラインを選んでるんじゃないかなと。
ならこの意見には賛同してくれるんじゃないかなとも思います。
世の中には今DAOといって、ピラミッド型じゃない、並列組織が話題になってます。
でもそれは適切な業務を勝手にやれる人の集合体の話。
僕らはたいてい、自律的に集まる器(サービスや商品やプロジェクト)や、魅力(社長の影響力)は持ち合わせていません。
やってるのはただの商い。ですからねー。
今日話したような「ドライさ」がなければ、生き残れないって事実もあるのじゃないのかなと。
今日はこのへんで。
ではでは。
ーー動画だと、もっと詳細に語っていますので、
もっと理解したい人はそっちもご覧ください。
【雑談】芸能人
娘のクラスに有名な芸能人のお嬢さんがいるそうです。
てか僕も好きな女優さんです。
で、いいタイミングで保護者会がありました。
オンラインでしたが、顔が拝見できるかと密かに楽しみにしていました。
ただ残念ながら、全員顔出しなし。
真っ黒のズームのアカウントだけを見つけて、存在だけ確認した次第です。
ま。オフラインでも娘に嫌がられますので声をかけたりはしませんけどね。(笑)
にしても、芸能人ってこんな風に大変だよねと思いつつ、
東京の人って芸能人見ても声かけないんですよねー。
僕は大阪出身なんで、子供の頃は
やすきよのやすしとか、
さんまさんとか、
見つけたら大きな声で声かけて、
わざわざ突っ込んでもらったり、頭撫でてもらってこともあります。
今でも”素”だと寄っていって声かけちゃうと思うんですよね。
でも娘はじめ「絶対するな」って言われてるんで、自制せねばって思ってます。
で、話変わりますが、レジェントの矢沢永吉さんにあった友人が声かけたそうなんですが、
思わず直立不動で「気を付け」しちゃうっていってました。
快く対応してくださるそうです。