起業家にとってのリスクってなんだろう?【第665回】
目次
「起業家はリスクを取らないと成功しない。」
こんなふうに言う人が多いので、凡人はビビってしまいます。
特に失敗を恐れる日本人に起業家が少ない理由にもなってる気がするんですよね。
「でも、これって本当かなー?」と捻くれてる僕は思うわけです。
なのでこの根拠を調べてみることにしました。
調べ方は単純。
起業家のチャレンジ精神と成功率についてを考察したり検証している論文をchatGPTに探して
解説してもらいました。
いくつかの論文を教えてもらったんですがまとめると、
どうやら確かに「リスクを取れる性格の起業家のほうが成功率が高い」ってデータがあるそうです。
ただ、逆にリスクを取りまくる人はリスクを全く取らない人と同等かそれ以上に
成功しないそうなんですね。破綻してるってことです。
つまり、横軸→をリスク取れるかどうか?縦軸↑を失敗率にしてグラフを描くと、
Uの字になるそうです。
リスクを取らないと成功率がめっちゃ下がるけど、
リスクを取るチャレンジ精神の塊の人も成功率がめっちゃ下がると。
ま、当たり前かもしれませんね。
自転車はゆっくりする速度では転ける確率が高いけど、
早い速度すぎてもコントロールが効かなくて転びます。
じゃ、真ん中ってどこなんですかね?
ってことで今日は起業家にとって取るべきリスクについて考えてみたいと思います。
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文章バージョン続き|起業家にとってのリスクってなんだろう?
起業家にとって、とるべきリスクを話しますと言っていて気がついたんですが、
あまりにテーマが壮大すぎて語り尽くせないことに秒で気がつきました。
なので今日はとってはいけないリスクを中心に話してみますね。
「こういうリスクを取ると破綻しやすいよ」シリーズです。
■なぜ成果が出てるか論理的に説明できない。
例えばあなたのビジネスを説明する場合。
この商品カテゴリの類似品はアマゾンで、月間300万ほど売れている。
検索結果表示が下位でレビューがないような商品でも月間50万ほどは売れている。
その相場価格を満たした商品を出品したのでコンスタントに月100万ほど売上があがる。
そのような商品を100種類ほど展開して売り上げを立てている。
こんな説明になったり。
フランスの留学に来る人は大使館のデータだと年間****名。
フランス留学関係の月間検索ボリュームは10万件以上。
そのマーケットで広告を出すと1件5000円で問合せがきて、
2件に一件は成約する。
季節変動があり新学期を目指す春くらいからピークを迎える。
こんな説明になったり。
だとしたら、あなたに破綻するようなリスクは存在しないと思います。
しかも事業拡張のために広告費を相当突っ込んだとしても、破綻するようなリスクは存在しないはず。
もちろんそのビジネスの売上が激減したり、消滅するリスクはありますよ?
そうじゃなくて”あなたが”破綻することはないと思います。
なぜなら自分がなぜ売れてるか?を理解しているからです。
別に数字で示せなくてもいいんですよ。
感覚的にでも理屈、ロジックがわかっていれば大丈夫。
こう言う人は業績が悪くなった時にもすぐに理由に気がつきますし、
リカバリーできるのか?撤退するタイミングなのかを正しく判断できます。
お金の使い方も、当然予期せぬ成績不振に見舞われることはありますが、
溶けてなくなるような消費の仕方はしないんですよね。
全然リスクを取らないってこともありません。
逆に言えば、この説明ができない人はやばいです。
最初にやった商材が、偶然参入タイミングがよくて、偶然売り出した場所が当たったような人。
もちろんこういう人も「なぜ売れてるか?」くらいはあとで気がつきます。
でも「どうすればこれ以上大きくできるか?」はまったくわからないケースも多いんですよね。
(SNSがー・・とか。紹介がー・・・とか。ありきたりのことくらいは言えますが。)
こう言う人はなまじっかキャッシュを得ていますので、
とんでもないものにお金を使って溶かしてしまったりします。
なぜなら本当はただの偶然なのに「簡単に儲かる」と思ってるから、謎に思い切りがよくなってたりします。
また、試行錯誤して正解を知るという工程を踏んだことがないので、百発百中の成功経験しかありません。
だから、試行錯誤することとか、失敗を含んだテストを軽視する傾向が強くなります。
例えばですよ?
ある国で受託や代理作業系のサービスを始めたとします。
仕入れ代行でも、不動産販売でも、移住斡旋とか、まーそういうの。
検索エンジンでたまたま上位表示していて、参入タイミングがよかったから最初から顧客を獲得できていたとします。
そのうち、とても影響力のある経営者とか、インフルエンサーとか、ブロガーが顧客になります。
そのうち気がつかないうちに検索エンジンの順位は落ちていて、それ経由の顧客は来なくなっているけど、
そのブロガーさんが紹介してくれるので、顧客は切れず大きくなっていきました。
でもある日、紹介してもらえなくなったり、大きなライバルがうじゃうじゃ増えたり、
そのサービスの需要がなくなって売上が激減したとします。
この時、この社長には正確になぜ売上が減ったかを把握できません。
だってこれまでもなぜ増えてるのか?を知ろうとしていないし、
自力でさらに増やす試行錯誤もしたことがないからです。
そこで、広告を出してみようと試みますが、当然ライバルが多いので成果を出すには工夫が必要です。
これまで0円で努力せず注文があったものが、いきなり一顧客を獲得するのに数万円かけなければなりません。
ここでバカらしくなってしまうんですよね。
予算によっては数も多くありませんから、全部を軽視してしまいます。
次に、検索順位が下がってることに気がつきます。
でもブログメディアをせっせと書いていくことなど面倒でやる気がしません。
そんなとき、検索順位を上げてあげます。80万円ぽっきりです。って営業電話がかかってきました。
これは楽だと思って速攻で契約します。
そんなサービスでアクセスが増えるわけがありませんが、これまで施策を試すとか調べることはしてないので
騙さてしまいます。
こんな感じです。
なぜ成果が出てるか論理的に説明できないリスクには売上の大小は関係ありません。
単にそれを知ってるか?知ろうとしたか?ってことだけです。
■他人が儲けてくれると思って委ねてしまう。
同じようなリスクで次に代表的なのが、
他人に売上アップ、利益アップをお金をかけて委ねてしまうケースですね。
もちろん成功したらいいのですが、
その場合は先に話した「なぜ成果が出てるか論理的に説明できないリスク」が発生します。
成功しない場合は、単純にお金を溶かすってやつですね。
パターンはこんな感じ。
1 こんな感じで悩んでる。
・売上が伸び悩んでいる。
・自分ばっかり忙しい。
2 他人からある人がある事業でめっちゃ成功していると聞く。
・●●業で●年で年商10億
・●●投資で●年で20倍
3 その人からその事業の儲かるカラクリを聞くと、こんな感じで美味しく思える。
・同業者は無知で怠惰だから勝てる。
・誰もやってない方法なので先行者利益がある。
・最新の技術を使っている。
4 一緒にやろうと誘われる。自分はお金を出す方になる。
5 お金はすっかりなくなる。
■お金の計算がどんぶり勘定すぎて黒字倒産
先週の「ECビジネスはつらいよ。」で説明しましたが、
経営上のお金の計算って2つあります。
A・売ったものから原価を引いた損益計算
B・入ってくる現金と出ていく現金を引いた計算
ビジネスによっては、Aは赤字だけどBではめっちゃ金が余っている状態になったり、
Aでは黒字だけどBではお金が足りないって状態になったりします。
もちろん、この両方を見ていないといけないのですが、
片方しか見てないとリスクが高くなります。
Bの現金を見ていない場合は、現金がなくなって 誰かにお金を張らなくなって破綻します。
Aを見てない場合は、お金を借り続けることができない時点で現金がなくなり破綻します。
■失うものがないものなのに行動しないと決断する。
最後は一般論。
お金を破綻するほどかけるわけじゃないのに、
当たるかどうか?を予測して当たると確信しない場合は行動に移さない人はしんどいです。
当たるかどうかを試すってのが正解な気がするんですが、
やはり失敗したくないってか、一発当てたいって気持ちが働くんで一世一代の決断でもなんでもないことでも
決断して実行しなかったりするんですよね。
ビジネスは不確実なことしかないので「試す」ことでしか確認できません。
なので確認ができないことが多すぎると自ずと成功率は下がってしまうんじゃないかと。
このあたりはリスクを取れれば取れるほど破綻しやすい起業家のパターンかなと。
逆に好循環に入るリスクは”これ以外のすべて”な気がします。
・思いつきで施策をどんどんやってみる。
・会社をえいや!で退職してしまう。
・専門じゃない分野で起業してしまう。
・人をすぐ信用する。
・人をすぐ疑う。
・売れると予測されるから広告費に金を突っ込む。
・とにかく先に行動して失敗する。
実感としても、こういうリスクをとってる人のほうが絶対に成功率が高いです。
もちろん貯金がないのに会社をえいや!で退職したのはいいけど、
思いつきで施策をどんどん実行しないとか、
専門じゃない分野の起業にいつまでも躊躇しているとか、一部だけのリスクを都合よくとっててもダメなんですけどね(笑)
では。
ーー動画だと、もっと詳細に語っていますので、
深く理解したい人は、そちらもご覧ください。
【雑談】コロッケで涙。
僕には子供が2人います。
で、その子供たちの夕食の準備を結構したりします。
あ、もちろん大したことはないんです。
仕事やら、習い事やら、塾やら、その送迎やらで毎日夕方ら
夜のスケジュールがばたつくことが多いからってだけなんで、
全部やっつけです。
めっちゃ適当。
子供にリクエストなんか聞きながら、
買ってきた惣菜とか味噌汁だけ準備する日とか、
コストコの肉をドーンと出すだけみたいな日も多いです。
これは準備しているとすら言わないのかも。
で、まーそんな感じの毎日なんですが
先日、なんだかすっごいバタバタしている日がありましてね。
夕方から夜にかけても、いつもの送迎やら、自分のミーティングのアポとかあって忙しかったんです。
口に出して「今日は忙し-!」とか言ってたと思います。
そんな中、いつものように息子に「何食べたい?」って聞いてみたら、
「コロッケ!またはセブンイレブンの金のハンバーグ!」とか言ってました。
もちろん両方好きなものではあるのですが、すぐに気づいてしまいました。
両方近所で10分以内に買いにいけるもの。
ぼくが一番楽なものなんですよね。
しかも何もそういうことを言わないのがすごいなと。
あくまで俺が食べたい的なことを言うわけですよ。
子供って知らない間に成長していくんですねー。
完全に人様にはどうでもいい話なんですが、
何も語らないところとか、そういうのに密かに驚きつつ感動してました。
親バカからのどうでもいい話は以上です。