人が「欲しい」と言ったものを売っても失敗する件【第678回】
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仕事柄、ビジネスアイデアを聞くことは人より多いかもしれません。
もちろんアイデアを聞いただけで、ある程度は成功率は予測できます。
経験、実例、データもあるんで。
でも的中率100%なわけはなくて、やはり最後はやってみないとわかりません。
タイミングや偶然なんかもありますしね。
なので起業家の方に熱意があるものは小さくテストしてみてみてから判断するようにしています。
成果の出るアイデアもあるし、惨敗するアイデアもあります。
そんな中でも、起業家の興奮や熱量に反比例して、失敗率がめっちゃ高いなと思うものがあるんです。
それは「人は欲しいと言ったからこれを売ろうと思った。」という理由のアイデア。
言い間違いではないです。
人が多く欲しいと言っていた商材やサービスだという理由で始めようとしているビジネスは
失敗率が高いんですよね。
今日はそんな話をします。
動画で見る|人が「欲しい」と言ったものを売っても失敗する件
文章バージョン続き|人が「欲しい」と言ったものを売っても失敗する件
先日欧州のクライアントさんと、新しいビジネスアイデアについて話していました。
このクライアントさんはすでに別のビジネスをしていますので、お互い頭の体操的な議論です。
その国には日本が大好きな人がとても多いそうです。
(嬉しいことにそういう国は多いですが)
アニメを含めた文化や、日本の自然とか全般的に興味がある人が多いということです。
話変わりますが欧州で「ハイキュー」めちゃ人気ありますよね。
話を元に戻します。
そんな日本の好きなものの中で「お菓子」って結構上位に来るらしいんですよね。
しかも実際「Tokyo Treat」というサービスが世界中にお菓子のボックスサブスクを展開していて成功していると言われています。
その事例もあいまってその国限定でもいいのでお菓子のパッケージ販売をしてみるのはどうか?というアイデアをお聞きしたんですね。
しかも、周りの現地の友人知人にこの話をしたら「日本のお菓子!?大好き!ぜひ欲しい!」と複数の人が漏れなくおっしゃったそうです。
事例もある。欲しい人もいる。
なんかいけそうじゃないですか?
でも「買った」わけではありません。
実際この手のサービスは単価が安いので最低でも5000以上のパックにして買ってもらう必要があります。
さらにまとめて配送しないととてもじゃないですが利益がでません。
そして顧客獲得コストを考えればリピート購入は必須です。
もし「このお菓子のパックを50ユーロで毎月買ってくれるのか?または1回だけ買ってみる?」と質問して、
さらに[Yes」と多くの人がいい、かつその人たちが全員お金を決済するまで到達しなければ
「いけそう」ではないんですよね。
このアイデアは頭の体操で話してただけなんで実際売って回ってみたりしませんでしたが、
聞いたらきっと買ってくれなかったと思うんです。
(成功事例があるからワンチャンいけたかもですが)
何が言いたいかというと、
「欲しい」と「買う」にはめちゃくちゃ大きな溝があるってことです。
このサービスが売れそうと踏める材料は「欲しい」という声ではありません。
「買いたい」という声でもありません。
「支払った」という事実なんですよね。
この事実をスタートアップ界隈もよくわかっているようで、
商品販売前に需要についてサーベイをすることはあまりありません。
やることは1個だけでまず売ってみるってことなんですよね。
商品がなくてもランディングページを作って売って決済をしてもらうってことで
売れる可動かを判断してるケースが多いです。
でもこの手の失敗ってすごくやりがちですよね?
「欧州では日本食がブームだ。」
とか、
「友人たちは日本に行きたがっている。」
とか、
だから日本の**が売れるんだ。みたいにおっしゃる人もとても多いんですが、
全部ただの印象、ただの感想でしかありません。
ビジネスアイデアのソースとしては力がありません。
そもそも「欲しい」というコメントなんて、日本人である我々へのリップサービスかもしれませんしね。
ということで、売れると判断する材料は「支払ってくれた。」のみにしていくようにしましょうね。
もし判断に迷う場合は僕らに相談してみてください。
ーー動画だと、もっと詳細に語っていますので、
深く理解したい人は、そちらもご覧ください。
【雑談】悩むだけ損
海外に出かけていったり、
独立しているひろんな人と会ってると、
本当にいろんな人がいるなと思います。
面白い人。
やばい人。
適当な人。
ぶっ飛んだ人。
僕が海外に出ていくのとか、独立している人に会うのが好きになったのは、
勉強になるからとかよりも、許可がもらえた気がするからなんです。
「人生ってなんでもいいんだな。」
って許可です。
僕は性格的にビビりですし、ぶっ飛んでもいません。(たぶん)
起業も36歳と遅かったし、ビジネスモデルも安定するものを好みます。
投資もしないし、飲まないし、博打もしない。
いつも周りに気を使ってたりします。(意外と思うかもしれないけど)
なのでやはり”まじめ”な部類じゃないかと思うんですよね。
そんな僕にとっては、海外でである人、
独立してるけどめっちゃ適当な人。
夢ばっかり語って女性に50超えても食わせてもらってる人。
バツ4でまた子供作った人。
数えればキリがないけど、とにかく勝手に生きてるなって人を見ると
安心するんですよね。
影響されてぶっ飛んだりはしませんが、
「ま。なんとかなるっしょ」とは思えるわけです。
最近も精神的なしんどくなった人の話を聞いてショックを受けてたんですが、
つくづくこういう精神的な不安とか限度を超えてしまうと、
一番やっかいだし復活が大変だなって思います。
倒産とか、評判とかはどうとでもなるかなと。
僕もコロナで久しく海外に行っていなかったのと、
いろんな人に出会う機会も減っていたのもあったので
最近また人に会う機会が増えてこれをまた感じてる今日この頃です。
もし僕みたいに気が弱い人がいたら、ぜひ海外とかにいる日本人でいいので
愛すべき適当な人。ぶっとんだ人。思い切りのいい人。に会うのをおすすめします。
男性女性問わずいっぱいいますよ。