ジョイントでイベントをする場合の利益の分配で悩みます。
目次
こんにちは。河野です。
今日も開封して頂き、ありがとうございます。
今回の熊本・九州地方の地震。
本当早く収まるといいなと祈るばかりです。
現地の方ともやりとりしたことなど編集後記でお話しますね。
「ジョイントベンチャー」
というマーケティング用語って聞いたことありますかね?
広い意味では
2社以上の建築会社が共同で
飛行場とかを作ることとかを指したりもしますが、
ここでいっているのは
お互いの資産を使いあってビジネスをすることを指します。
小さいところでは、
美容について書いていて人気のあるAさんが、
女性のライフスタイルについて書いていて人気のあるBさんと
共同でセミナーをしたりするケースです。
何をジョイントしているかというと
AさんはBさんの顧客やファンを集客できて、
Bさんは自分では提供できないAさんの美容についてのコンテンツを
利用することがジョイントしているわけです。
大きいところでは、
クレジットカード会社と投資型保険の会社がジョイントして、
カードの会員へ保険商品のセールスチラシを送るようなケースです。
カード会社は自社の顧客リストを新たな換金のネタにできて、
保険会社は一定の支払い能力のある顧客リストを見込み客として
利用できるわけです。
報酬を利益分配型にすれば、
片方がコンテンツを買い取るコストが節約できますし、
片方は見込み客の獲得コストを節約できます。
前振りが長くなりましたが、
こういうジョイントって、あらゆるシーンで行われています。
もちろん、
クロスセリングやら収益の最大化はもちろん
ビジネス上いいことはたくさんあるからですし、
その手法についてもいつかお話したいなって思うんですが
今日はもうちょっと具体的というか
小さい話をします。
もっと根幹的な話として、
「ジョイントをした場合にどうやって利益を分配したらいいか?」
という根本的なことに悩む人も多かったりします。
ということで今日は、
ジョイントした場合の
分け前の考え方についてお話してみたいと思います。
ケース1:ヨガスタジオでワークショップをやる場合。
たとえば、
ヨガのインストラクター向けのワークショップを企画したとします。
自分はヨガのワークショップを進行できる先生をアサインしているか
自分自身がその先生役です。
そこで、日本のどこかの都市の
ヨガスタジオのオーナーとジョイントして
ワークショップをやりましょうという話になりました。
スタジオの役割は場所を貸すことと、
既存の生徒さんにお知らせして
参加者を集めることです。
参加費は1日5万円の設定で
最大人数が30名。
満席にすることができれば、
1回あたり150万円の売り上げになります。
こういうときの収益の分配。
あなたならどうしますか?
取り決め自体は素直にするのだけど
実は「これでいいのだろうか?」と悩んでいる人って
意外と多いと思うんですよね。
すっきりするのは
必用経費を引いた上で完全に
ジョイントした関係者で割るということになります。
つまり半分ずつ。
もちろん、
それでみんな納得なら何も悩むことはないのですが、
人によってはなんだか”わだかまり”が残ることも
あるようで、
そういうときのことを考えてみたいと思います。
”わだかまり”が残るときの理由は
「貢献度が等分ではない」とどちらかが思っている時ですね。
特に貢献度が自分のほうが高いと
思っている場合じゃないかなと。
この手の相談を結構僕も受けるのですが、
「貢献度とは何か?」ということを考えると良いと
僕は思うんですね。
労働力と資源を、
どれくらい使っているか?
どれくらい使わせてもらっているか?
ということになります。
今回のヨガのワークショップであれば、
講義と進行をするという労働は自分。
資料を作ったりの準備という労働は自分。
スペースという資源を出すのはスタジオ。
顧客という資源を出すのはスタジオ。
当日の手伝いという労働はスタジオ。
こういう感じですよね。
で、時間と資源の大きさで貢献度数を図ることになるのですが、
「得がたいことをしている度合い」によって
値が変わると思います。
たとえば、
ビジネスで重要になり、
とてもユニークな得がたいものというのは
間違いなく顧客リストです。
次に、ユニークでありえる商品力。
ヨガの場合はワークショップのコンテンツや
盛り上げることのできる能力とか技術。
または、それだけで人が着たくなるブランド力。
労働力は、ただの労働なので
時給以上でも以下にもなりません。
そう考えると、
今回の事例だと、集客をスタジオの顧客リストで
行いますので、
貢献度はスタジオにとても偏っていることになると思います。
でも、
自分の講義が得がたいブランド力をもっていて
集客がそのせいで容易になるとか、
コンテンツは得がたいものであるならば
同等の作用があると思うわけです。
そうなると、
折半または、スタジオ側の収益分配のほうが
多くなっているくらいがちょうどいいくらいじゃないかと
思うのですよね。
さらにいえば、
その得がたい資産である顧客リストを
使って集客した結果。
参加者のメールアドレスなり、
連絡先を再利用してもいいという取り決めをしているとしたら、
再利用できる顧客リストまで取得できるわけですから
分配はもっとスタジオ側にあってもいいことになります。
なぜかというと、
イベントの収益がたとえほぼなくても、
参加者のリストというのは、
今後のビジネスにとても大きく作用するから
今回得られるはずだった利益は十分ペイできると
予測されるからなんですね。
なので、
得がたい資源に寄与していないときに
バランスが悪いとかいう考えは
実はフェアではなかったりすることも多いわけです。
逆に今回のスタジオのような立場、
得がたい資源をより多く提供している側だった場合でも、
「わだかまり」が残ることもあります。
たとえば、
顧客リストという資源はお互いのものを使って
集客しようという思惑だったのに、
自分のスタジオでしか集客していないときとかに
「なんか私ばっかり!?」
という感情になるわけです。
たとえば、
講義をする人もスタジオを経営していて、
ワークショップの後のそのスタジオに移転させられちゃったりすると、
「私がなんであの人のお客さんを変わりに集めてあげなければならないの?」
という感情になるわけです。
このへんは結果論だから
後戻りはできないことも多いのですが、
まず顧客リストがどこからのもので、
その顧客リストはその後どう使われるのか?
ということは
十分考えてジョイントはしたほうがいいですよね。
最初からそういうことが想定されるなら
今後もジョイントで主催する継続的なワークショップを最初から
設計しておくとか。
ジョイントしたお相手の顧客リストが集客に寄与しないと想像できる場合は、
そういうもんだと割り切っておくとか、
集客数に応じた変動する収益にしてもらうとか、
すこし細かい定義をして挑むほうが健康的かもしれません。
とはいっても、
ジョイントというのはうまく機能すると
とても良いマーケティングツールなので、
継続した関係が取れるように
「相手のほうがちょっと余計に資源を使えている」
という状態で継続させるくらいが
ちょうどいいかなって思うんです。
ですから、
自分の資源が少なめだなと思うときは
収益分配を相手にさらに多く設定させてもらうとか、
自分の資源が多くなるように、
日ごろから努力を続けておくとか、
(コンテンツを提供するならコンテンツのクオリティとか
技術とか、ブランド力を上げておく。
書籍を出していないなら書籍を出すとか
ソーシャルのフォロアーを増やしておくとか、
マスコミ対策をしておくとかですね)
顧客リストを自分も多く持てるように
独自のマーケティングもがんばっていくとか
「相手のほうがちょっと余計に資源を使えている」
そういう感じが長続きします。
でもジョイントベンチャーの意義であるお互いの
資源を共有するという概念が
そもそもない人もいたりしますので、
そういう場合は、
「なんで私ばっかり!」とまじめな人は
イライラすることになったりするので、
そういう場合は、もう1回はやめておくといいのじゃないかなと^_^;
社長は思うわけです。
基本は相手のメリットが多いくらいがちょうどいいのですが
その前提がない人だとしんどいよねって話になりますね。
相手のことが好きだったり
応援したいなと思える気持ちとか
収益に余裕があるなら
「相手のほうがほぼ資源を使えている」
という感じでジョイントすると
心地よいって話にもなりますね。
僕はありがたいことにこういうお誘いがあるか
僕が同じようにお誘いするかケースが多いです。
でも
マーケティング強化のために
バリバリにやるなら
資源をどう共有するかという議論はしておくほうがいいですね。
ケース2:商品を売ってもらう場合
これって
商品販売でも似たようなことが言えます。
それってジョイントベンチャーじゃなくて
卸販売の場合はほとんどですが、
たとえば誰かに商材や開発を提供してもらい、
販売は自分が行うケースとかだと
ジョイントがありえます。
製造する技術と設備がある人と、
販売できる人が組む場合に
OEM供給といって、
すでにある商品のパッケージやラベルだけ変えて
売る取引や、
受託製造といって、
こちらがオーダーしたとおりに商品を作ってもらい
自分がメーカとして商品を売る取引ですね。
前者はサプリメントなんかに多いですし、
後者はアップルやシャオミなんかは代表例ですね。
その場合も、
受託だから買い叩けばいいってものじゃなくて、
資源のありかを考えるとわかりやすいと思うんですね。
たとえば受託製造の場合、
ブランドという資源と、
直接販売したことによる顧客リストとう資源が
手に入るなら、
製造コストに占める受託製造費用は結構高くなっても
いいのかないかという考え方ができると思うんですね。
もちろん某社のように
その自分の持つ資源(強み)を最大限利用して、
買い叩き自社の利益だけを最大化するという
やりようもあるのでしょうが、
長く続くということであれば
やはり、
「相手のほうがちょっと余計に資源を使えている」
というくらいにしておくといいと思うのと
ブランド価値や、顧客リストを持てるなら、
資源は見た目よりも(製品あたりの利益額)よりも
はるかに多く手に入れていることになるという
視点もあるといいですね。
ケース3:リスト交換の場合
と、世知辛い話をしてきましたが、
仲良く半分ということに疑問がある人だけ
考えればいい話ですよ?(笑)
でも顧客リスト=お客様台帳の共有ってことだけは
とても大事なことだと思っておくといいと思うんですね。
だって
顧客リストは自分たちのブランドであり
信頼であり、広告を使っているならお金そのものなんですよね。
それを使って
相互にただ単に紹介しあうだけだとしても、
数のバランスはまーいいとしても
お互いのリストに対して、
積み重ねている信頼の深さが非対称だとすると
あまりいいジョイントとは言えないなーと。
伝わりますかね?
特に
まじめな人がコツコツ努力して
信頼してもらってきている読者がいるとして、
その人に
あまり読者の信頼を積み上げていない人を
紹介するときのインパクトはあるのですよね。
これは
数とか知名度では決していないので、
気をつけるといいなーって思うんです。
■まとめ
繰り返しますが、
ジョイントベンチャーでうまくいくには
自分も相当の資源を持っているときなんですね。
となると、
やはりジョイントベンチャーは加速装置であって、
そもそもの自分の信頼であったり
クオリティであったり、
顧客リストの規模であったり、
そういう”エンジン”のメンテナンスとか
チューンナップはしておけよと。
そうなるのじゃないかなって思います。
雑談
熊本地震。
今これを書いているつい1時間ほど前も
震度5くらいのゆれがあったと速報がありました。
本当早く収束することを祈るばかりですね。
各地でも
寄付や物資の配送。
炊き出しなど支援が活発化していますが、
熊本のメンバーさんと
ラインで迷惑にならない程度に
やりとりをさせていただきました。
幸い、自宅は大丈夫で、
避難所生活などではないそうなんです。
食料も店には置いてないので、
困っているそうですが
水は熊本に多い地下水を利用する住居でらっしゃるので
水はあるそうです。
ただ、とにかくおしゃっているのは、
断続的に続く揺れ。
お子さんもいらっしゃいますし、
携帯の地震アラームはなりっぱなしということで
相当のストレスと恐怖を感じて
参ってしまうそうです。
何もできない中で
ザワつく自分がいる人も多いと思うんですが、
こういうときどうしたらいいか
毎回いろいろ考えてしまうものですよね。
でもやっぱり
「できることだけちゃんとやる」
だだそれだけかもしれません。
寄付を継続するとか、
物資を送るとか、
最寄の市役所に届けるとか
もうすこし後で必用な人に個別に支援を行うとか
ボランティアに行くとか、
目の前の仕事をがんばるとか、
自分の家族のために自分の備えを見直すとか、
誰かに何かを託すとか、
とにかく応援し祈るとか、
正解はないので
やっぱり
「できることだけちゃんとやる」
なのかなって思います。
「ざわざわして落ち着かない」というのは
東日本のときもみな経験していると思うんですが
今回もザワザワしているとしたら
ザワザワはあまり何も生み出さないので
「できることだけちゃんとやる」
でも
収束に向かうよりなにより。
「まだ揺れている」というのは
本当怖いし、参っちゃうと思うんです。
自然には本当あがなえないのだけど
本当ゆれだけは早く収まってくれよと思いますね。
編集後記
我が家はというと・・
地震で不便をされている方には笑われるかもしれませんが
妻の靭帯切断につづき
娘が季節はずれのインフルエンザになってしまいまして、
普段何も活躍していない僕が
いまだにたいして活躍してないといううわさがあるものの、
要領の悪く
時々無断欠勤したり、遅刻するような
使えないヘルパーさんもどきで
活動しています^_^;
迷惑おかけしているみなさま
ごめんなさい。
でも、おかげでいろんなことも覚えたので、
この機にちょっとパワーアップできそうです。
とちょっとふとんを干したくらいで
言ってみています(笑)
お知らせ
イタリア フィレンツェ勉強会&セミナー6月18日土曜日に決定。
スペイン バルセロナも勉強会&セミナー6月21日火曜日にやります。
どちらも少人数制です。いますぐ申込みとチケットとホテル予約を。