テキスト版【第468回|月商100万円の憂鬱。よくある起業家ダブルバインドとは?】
目次
トピック:月商100万円の憂鬱。
起業した人は、起業したいけど会社勤めを続けている人のことをこう言います。
「勇気がない人」「行動力がない人」
独立したいのに出来ない理由が「今の給料がなくなると不安。」「儲かるアイデアじゃないとやる気がしない。」
このような精神的なものだったりするからです。
この評価が正しいとするなら、逆に起業した人は「勇気と行動力がある人」ということになります。
実際一人で何かを立ち上げて、生計をたてているわけですから、そこに至る勇気と行動力は賞賛されてもいいですよね。
ただ、この賞賛されてもいい人々でも、先ほど批評していた会社員をバカにできない事態になることが多いってご存知ですか?
ていうか、自覚はありませんか?
特に月商100万くらいを超えたあたりでです。
(手元に残る自由にできるお金が50万ー100万くらいって置き換えてください。
だから物販とかだと月商500万以上にはなってるかもしれません。)
僕はこれを「月商100万円の憂鬱」と呼んでいます(笑)
いや。今日からそう呼ぶことにしました。
今日はこの話をしますね。
「なんじゃその小さい数字は!」って思う人もいるかもしれません。
その場合は、このあたりの数字でうろちょろしている起業家って意外と多いんで、年商が一気に増やした優秀なあなたは、微笑ましく一般的起業家の話を聞いてください。
■月商100万超えない理由
月商100万円。年商で1200万円。
これを2期以上続けてるとします。
基本1人でやっているなら、もう軌道に乗せたと言ってもいいですよね。
ビジネスは0から1が一番難しい。
その0→1を達成したわけです。
そんなあなたは相当優秀。
そして、1から10は0から1にするよりも、難易度が下がると言われてます。
となると、来季は年商5000万、その次は3億とかって増えていくはず。
なのに・・・何年もそのまま維持って人多いと思います。
全然ならない。
おかしいですよね。
1から10のほうが楽なはずなのに。
これって、出資を受けて事業を始めた人とかだとあまり見かけません。
1人で始めた起業家にとっても多い状態。
かといって、もともと小さい売上しかたたないニッチビジネスを狙ったことが理由とかじゃありません。
選んだビジネスはある意味関係ないんです。
だって、市場規模が年間1千万しかないなら、もう1個似たようなことをやればいいだけじゃないですか?
理由は単純です。
「売上を増やそうとしてないから。」
タイプミスじゃないですよ?
”売上を増やしたい。”とは思っています。
ただ、”売上を増やそう”とはしていないのです。
売上を増やしたいと思ってるけど
売上が増える行為を行ってないということになります。
なぜか?
それには起業家独特の憂鬱がありまして、
・知らないことだから怖い。
・今のご褒美を失いたくない。
この2つです。
要するに、
「勇気がなくて、行動力がない。」
そう、起業家のみなさんが見下す?会社員の人と対して変わりません。
その中でも代表的なパターンがあるので、あげていきますね。
■お金が惜しくなる。
今の年商までダイレクトマーケティングで軌道に乗せたとします。
その場合、新規客を獲得するチャンネルは広告が大きいと思います。
リスティング広告や、FaceBook広告。
アフィリエイトかもしれません。
さらに売上を増やすなら、広告費用を増やすことで新規客を増やすのが最適な方法です。
当然、獲得の総数を増やすと、比例してコンバージョン率はゆっくり下がっていき、獲得コストは上がりますので、
新規客からのリピート収益が安定するまでは利益が一時的に下がりがちになります。
つまり会社としての単月のキャッシュフローは悪化します。
でも半年とか1年後には売上の規模が全然変わってきます。
複利で売上が増えて何倍にもなるんです。
なので、広告費をさらなる投下は、売上アップをするためにはいの一番に取るべき方法になります。
これは、当事者である起業家もわかってるはずなんですよね。
でもこれができないんです。
わかっててもできない。
いや。
「しないんです。」
なぜというと、ご褒美が減るのが嫌だからです。
ネットビジネスの場合、効率的な仕組みになってることが多いので
利益が100万近くあって、かつ時間も結構あるなんてことはあり得ます。
そうなるとですね、
行きたい場所に旅行に行く、(最高級品でもなければ)、欲しいものは買える。
そういう生活スタイルになってることもよくある話。
生活レベルが上がってるわけです。
これを僕はご褒美と言うようにしているんですが、
売上をもっと伸ばしたければ、同時にこのご褒美を失うことを意味します。
さっき言ったように、今後の売上増のために単月の利益は減るからです。
再投資をするからです。
この当たり前のことをしないんですね。
一人ビジネスだと自制がきかないのもあってやりません。
てか、本来ご褒美というのは、一時的に得るものであって、恒常的に得るものじゃないですしね。
これって会社員の方が今もらっている給与とか、
肩書きを失いたくないから起業に踏み切らないのと構造的によく似ていると思いませんか?
解決は簡単。
ご褒美はたまににして、再投資をするだけなんです。
「お金を使う」お付き合いをしている仲間に恥ずかしいとか思ってるなら心配ないです。
誰も僕らの懐が寂しくなっても気にしてませんからw
■スタッフに恵まれないと思い込む。
組織化。仕組み化。
これを意識すると、誰か自分の代わりか、同じくらい集客をして欲しいと思ってしまうことがあります。
でもですね、仕組み化というのは、スタッフの能力に依存せずに集客できる状態のことであって、スタッフが集客力をつけることじゃありません。
そもそも集客が最初からできるスタッフなんて1人もいないと思っていたほうが自然です。
そんな優秀なら起業しているはずですから。
となると、集客できてない理由は「スタッフの成長やスキル」なのじゃなくて、「仕組み化ができてない」ことが理由なんです。
結局、起業家である僕らのせいなんです。
もちろん、全部の企業で社長が集客を全部やってるなんてことはないし、有能な社員が集客を担ってる場合もおおいにあります。
でもですね、それは固定で安定して高額な給与払れてる場合に限ります。
そう言うと「うちは”売れれば”給与は1千万超えるはずだ」とか言って成果報酬にしていることを例に出したくなる社長もいると思うんですが、
なんども言いますが、”売れれば”給与が上がるなんて状態で頑張れる人は、起業しているんです。
売れなければ給与の保証がないわけですよね。
それでは会社員が超えられない壁を会社員しながら超えろって言ってるようなものです。
理屈で無理です。
で、結局は僕ら起業家が自分で違工夫し、お金を使うなり、スキルを使うなりして、集客を強化し、仕組み化するしかないのですね。
■難しいことから逃げたい。
とは言ってもですね、ある程度一人で月に100万とか収益を生み出しているってことは考えられる集客のプロセスは全部テストした結果だったりします。
「やれることはそこそこやってきてますが?」って状態。
てことは、これ以上売上を増やそうと思うと、未知の領域にチャレンジすることになります。
新たな広告チャネルかもしれないし、
新たなカスタマージャーニーを作ることかもしれません。
ソーシャルでの認知を広げることかもしれません。
リードの種類を増やすことかもしれません。
1件1件セールスをしているのを、
自動化する仕組み作りかもしれません。
つまり、結構難しいし、面倒臭いです。
新たな試みはいつでも面倒くささが伴います。
なので、この努力からどうしても逃げたいんですよね。
無意識にです。
かといって、「逃げたいです」では、あまりかっこよろしくありません。
そこで脳が思いつくのが、「時間がない」って言い訳です。
周到に時間がなくなる理由も作ろうとします。
それはスタッフの育成であったり、細かな日常のオペレーションだったり、
下手するとネットショップなら梱包作業に没頭することすらあります。
現場の仕事をこねくり回して、疲れておく。
そうすると、「私には忙しいからそれをする時間がありません。」
と、いい感じで言い訳できますよね。
誰にって、誰にでなくて自分にです。
僕もすぐにそうなっちゃいそうになります。(笑)
人気のサッカー漫画「ジャイアントキリング」の中で
チームのキャプテンがキャプテンを外された時に
「キャプテンというまとめ役に没頭することで、選手としてのスキルアップをしなくてもいいという甘えが生じているのではないか?」
という自問が出てきます。
まさにこれだなと。
繰り返しますが、誰でもそうなりがちです。
メルカリやLINEの経営者にでもなった気分になっちゃいます。
僕らはそうじゃないよね?と。
「おまえ。そんなすごかったっけ?もう練習しなくていいの?」ってことなんです。
■身内の賞賛に溺れてしまう。
世の中には発信力と人間力を両方備えているすごい人がいるものです。
ソーシャルメディアで人気が出た場合、たとえばメルマガ読者で3000人くらいれば十分にマネタイズが回り始めます。
月商100万くらいにはなってるはず。
ファンの信頼度が濃い場合は、ソーシャルメディアのフォロアーで1万人くらいでも実現するかもしれません。
この場合でも、当然月商100万円の憂鬱は訪れます。
頭うちする理由は単純です。
リストが足りないのです。
フォロアーが足りないんです。
でもですね、賞賛のされ具合にはすごいものがあります。
周りがめっちゃ褒めてくれるし、これ買えって言えばみなが買います。
ここに来てって言えば来ます。
つまり、自分をリーダとするコミュニティが完成しているです。
(別にサロンとかって意味じゃないですよ。)
自分のネットワークで自分の承認欲求は満たされてまくっています。
そして、真面目な人はこう思うんです。
「もっと期待に応えてなければ!」と。
今のコミュニティの人へ質と量ともに役にたとうと努力します。
これだとフォロアーもリストも新規では増えていきません。
増えるんだけど、大した数じゃありません。
月商100万円の憂鬱を打破するものにはなりえない。
ブログやソーシャルメディアでフォロアーを増やすなら、
新しいユーザに共感され、支持される発信力をあげつつ、
新しい手法を試すしかありません。
これって学ぶこと、考えること、感じること、経験すること、真似ること。
これらすべてを強化するしかありません。
つまり、「自分の実力はより多くのフォロアーを増やすには足りていない」と認めることからなんですよね。
「今の私は共感されてる。大丈夫。」という自己認識がめっちゃ上がるのですが、その反面向上心が薄れる副作用もあったりします。
そして新しいことを試すとか、発信内容が変質していくってことは、
今の賞賛というご褒美を失うかもしれないということと隣合わせです。
このあたりも、他の憂鬱と構造は同じですよね。
解決策は同じ。
「僕らはどうせ大したことないんだから、さわやかな痛みとともに成長するしかないのさ。」
ってことです。
■結局はフォーカスできるかどうか?
まとめてしまうと、起業家には毎月コンスタントな収益が出始めると、ダブルバインドが起こりやすいってことです。
「売上をもっと増やして、収入を増やしたい。」
と心の底から思ってると同時に、
「売上ばかり追いかけてると思われたら卑しく思われないだろうか?」
とか
「でも現在進行中の心地よく楽しい生活を失いたくない。」
とか思ってるんですね。
ダブルバインドは異なる2つのメッセージを受け取ると受けた方は混乱してしまう現象のことで、
売上たいけど、売上の上げる行為はしたくないってメッセージを自分で発している状態です。
このどちらかを選択するかは自由なんですが、もし売上あげたいなら
結局最後は精神論になりますが、
「私は売上があげたいし、上げることしかしないぞ。」
と認めてあげることが一番重要かもしれませんね。
(本来ダブルバインドは二人の人間の間のコミュニケーションの例で使われるるんですがその説明ははしょります。)
さて、あなたの憂鬱と同じだったりしましたか?
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【編集後記】お酒の話
僕は30歳までお酒を飲みませんでした。
一人暮らしの家にもコーラと水しかなかったです。
40歳まではビールしか飲めませんでした。
晩酌用にビールだけは常備していました。
そして50ちょっと前の今。
ビールケース。
ウィスキーと炭酸水。
焼酎。
そしてワインを2本くらい。
つねに家に常備してあります。
ふと思ったんですが、
「もしかして、俺ってお酒好き?」
弱いんですよ?
ワインなんて1日にグラス1杯くらいが限界です。
だから酸化しちゃうんで半分くらいは捨てちゃうこともあります。
でも、ないと困ります。
これはおつきあいしている友人の影響もありますし、
なにより欧州でワインを飲むという経験をしたことがめっちゃ大きいです。
欧州の人、本当「ワインを楽しんでるな」って感じたんです。
楽しいなら俺も楽しんでみたい。と思えたことが大きかったんですよね。
お酒は酔うもの。から楽しむもの。
になって酒に対するイメージが180度くらい変わったかもしれません。
てことで、欧州には行ってよかったと僕は思ってます。
また別の機会に話そうと思いますが、
「楽しむ」ということがとても上手な人たちだって思うんです。
なのでサーフィンできないけど今年も欧州には足が向いてしまいます。
オランダでイベントをするので、その後どこに行けるか今から楽しみです。