テキスト版【第475回|起業家がビジョンを語ると失敗しやすい件】
目次
こんにちは。河野です。
今日も開封していただきありがとうございます。
起業家がビジョンを語ると失敗しやすい件
「経営者の役割はビジョンを語ることだ。」
「いつもビジョンを語っている協力してくれる人がどんどん現れる。」
あなたは、こういったことをいつも実践している人ですか?
または、ビジョンなんてないから私ってダメだと「ざわざわ」しちゃう人ですか?
今日も長いお付き合いのクライアントさんのこのことを話していました。
結論から言えば、ビジネスをするならビジョンを持ち、語るほうがいいに決まっています。
だってタクシーに乗ってどこに行きたいかを言わなければ目的地にいけないし、
道に迷っている時に行き先を説明できなければ、善意ある人でも助けてあげようがありません。
同時にもっと大きいリスクも抱えてるよねって話にもなりました。
ビジョンを語れば語るほど落ちいるリスク、失敗が増えるって意味です。
こんなこと言うと、「何を世知辛いことを言ってんだ」ってイメージをもたれそうなんですが、
とってもたくさんの「ビジョンを語る人」をサポートしてきた結果の実感なんです。
ということで今日は、ビジョンを語れば語るほど事業が失敗する理由をお話ししたいと思います。
■ぜんぜん実行されなくて信用されない。
ビジョナリーな物言いをする人の宿命からもしれませんが、
人に信用も信頼もされなくなります。
言い方を変えましょう。
事業を手伝ってくれる人も、人材も、協力者も、うわべだけじゃない応援者も集まらなくなります。
去っていってしまうという言う方が正しいかも。
ビジョンを語る方が応援者支援者はもちろんスタッフもお客さんも集まると言われてます。
てかその通り。
ビジョンを語る方が信頼されるんじゃないのかって話なんですが、
あくまでぶれずにそのビジョンに向かって進もうとしている人、進んでいる人に信用が集まるってことだと思うんですね。
ぶれずに進んでいる状態ってのがミソ。
別に高い壁にぶつかっていても、何度も押し流されていてもいいし、
進みが遅くてもいいのです。
ただそれは、歩きはじめてなかったり、ビジョンが別のものに変わっていないというのが前提です。
たとえ話をしましょう。
昔ある人からこう言うビジョンを話してもらったとしましょう。
「今元気がない日本のものつくりの中小企業を元気にしたい。彼らのよい商品が世界に売れるように資金力がない人でも参加できるプラットフォームを作りたい。」
課題はもっかこういうことなんだそうです。
「その為にはショッピングカートの構築でエンジニアが必要だし、多言語を扱えるせめて英語を扱えるセールスかカスタマーサポートの人の協力が不可欠なんです。」
このビジョンに共感し、さらに自分に協力するだけの余裕や、知己があるならば、エンジニアを紹介したり、副業でも手伝ってくれるサポートの人を紹介することはできると思うんです。
で、実際紹介し、チームが編成されたとします。
そして時は流れて1ケ月後か、3ケ月後。
会う約束があったのでその後の話がきけると思って楽しみにしていました。
そこで言われた話は意外なものです。
「いやー。今欧州の日本食ブームについて詳しい有名な●◉さんにあったんです。すごい人で、僕もこの話に共感したので日本酒を広げるプロジェクトを一緒にしましょうという話になったんですよね。
今からワクワクします!」
「ところで、酒蔵とかで世界に売りたい人とか知り合いいないですか?ぜひ協力したくて。 え? 世界へ売るサイト?あーあれはちょっと違うと思うんですよね。えへへ。」
(もちろん、紹介したスタッフは事業を中止したとか、方向転換したなんて話は聞いてないし、知らないから始まるのを待ってる。)
うん。別に悪くない。
事業のアイデアが変わるなんてことは、しょっちゅうあるし、立ち上げた後でさえピポットっていって変化させていくものです。
でもね、こういう話を聞いたときに、最初にスタッフを紹介した協力者が、ほいほいと酒蔵を紹介するか?って話です。
知っていても紹介できない。
だって、信用ないもん。
すごく優しさを発揮したとしても、「うん。わかった。動き始めたら教えてね」と言うのが限界でしょう。
僕は仕事がら多くの人と知り合うから、ビジョンを語ってもらうことはとても多いです。
自分の範疇で協力できることや、応援したいと思うことはしてもいると思います。
でも、ビジョンを語るんだけど、毎回ビジョンが変わる人とか、
ビジョンを語るんだけどなんやかんやで歩みを進めない人ってのも9割くらいいるのも事実。
うん。別に悪くない。何に悪くありません。
いくら荒唐無稽なビジョンだって、斜に構えて、椅子に座っているやつに悪口を言われる筋合いはありません。
イチロー選手だって小学生の頃、プロ野球の選手になると言っていたら、笑われたそうです。
でもビジョンを語り続けたからこそ、人の域を超えたところへ到達できたのだろうと。
ただし、歩き続けたからっす。
語るだけのものは、ビジョンとは言いません。
語るだけのものは、妄想。
与太話とまでは言いませんが、実行が伴わない妄想に人を巻きこむのは、
嘘をついて信用を搾取したときつい人なら感じるかもしれません。
うん。別に悪くない。ビジョンを語ってばかりの人って、たいていは無邪気でナイスな人の場合が多いですから。
でもね、信頼は確実に失っていきます。
少なくても僕はこの手の人からは何を言われても協力しないし、人も紹介しようと思いません。
といって、僕も気がつかないうちに、こうならないように自戒してます。
何かをしたい場合は人に宣言したほうが、追い込まれてやるからいいよ。って意見も確かに正しいのですが、
ビジョンを語る場合はたいてい人に何かを協力してもらおうという意図が働いていることが多いわけです。
最適なのは、やります!と勝手に宣言してしばらく自分でもがいてみることですね。
そこまでいけば協力者が勝手に協力してくださると思うんです。
■リーダーが曖昧になる。
ビジョンを語るとき、たいていは人を集めたり、お金を集めたりすることに結果繋がるんですが、
リーダーが曖昧になるケースが結構あります。
もちろん、ビジョンが実現できれば、自分の役割なんてどうでもいい場合は別ですよ。
極端な話。そのビジョンに協力してくれる人が現れたとき、お金を出す代わりに事業の権利を全部その人にわたし、
自分は1スタッフとして手伝い、もし軌道に乗った場合とか、のらなくても首になってもビジョンが達成に向かってるならそれでよしとする場合です。
そうじゃなくて、あくまで自分のコントロールできるビジネスを通じて実現したいものである場合は
経営権、ビジネスの所有権は自分が持っておきたいと思うんです。
報酬のことじゃありません。
権利のことです。
報酬ならたとえば3名のチームで報酬を三等分にして分けるとしても、
2名のチームで相手が9割手に入れるとしても、
権利が自分にあれば、チームを解散する権利も自分がもってますし、報酬を見直す権利も自分にあるという意味です。
「いや。それはわかってるよ。」
とみんな最初は言うのです。
が、これは自分だけの問題じゃないのですよね。
たとえば先ほどの日本の良い商品を世界に広めるwebプラットフォームを作成したとします。
エンジニアの人に協力してもらうとします。
たいてい報酬は最初たいして払えないか、ほとんどないことすらあると思います。
じゃなせ協力してくれるかっていうとビジョンに共感しているから。語ったことが効いてるからです。
ここまではいいのだけど、それだけに相手は「一緒にやっていく」と考えています。
話し合いの中であなたも「一緒にやりましょう」くらいは言ってるかもしれません。
そうすると、契約条項として取り決めておかないと、相手は「自分も意思決定をする」と思ってるですよね。
つまり、「私のビジョンを手伝ってくれ」ということじゃなくて、
「みんなで合意したビジョンにみんなで向かおう」ってことになり、
常に多数決、合議というプロセスになっていきます。
経営として意思決定が遅いってだけでも不利なのに、事業の拡大の時間より合意をとるための調整に時間を取られてしまうんですよね。
ビジョンを語ってチームを編成した場合、ボスと、意思決定者はだれか?を決めないことが多いので細心の注意が必要です。
■役割を果たさない人の集団になる。
それぞれが自分の役割を果たさないケースも多いです。
例えばエンジニアとして参加したなら、開発を滞りなく進めることを期待して参加してもらってますよね?
でも今の仕事とかが忙しくてなかな動けないとか。
人脈が広いと思って参加してもらった人がいるとしますよね?経験者と呼んでもいい。
そう言う人に期待するのは、完全なるセールスです。つまり新規ユーザの獲得と増加.
その人のおかげで増えるユーザに期待しているはずですよね?
でも、本人は一緒に経営しようと思ってますから、セールスは別のなにかしらで行われてると思ってたりします。
で結果としてどういうチームができるかというと、
・ビジョンを語る人だけのチーム。
・だれか「すごい人」と出会うことに必死な人だけのチーム。
要するに事業を実務として大きくしたり、面倒な実務をする人が不在のままになるんです。
かといって、意思決定には介入しますので合意をとるのだけは時間がかかる。
「広告なんてしなくていいのじゃない?」
「やっぱブログでしょ?」
でも記事を書くわけじゃない。みたいな。
僕はこういうチームをたくさん見ました。(笑)
こは単なる外注として仕事ベースに依頼していたなら、起こりません。
だってエンジニアは作る仕事をいくらかで受託しているわけですし、
セールスは受注に応じてお金もらったりするじゃないですか?
めっちゃいやらしい言い方をすると、ビジョンを語ることで集めたチームはリーダが気をつけていないと、
いっちょ噛んでおこう!と思うひとの集まりになりがちってことなんです。
あ。全部のチームがそうじゃないですよ?
自分の力を使いたいと思ってる情熱的な人の集まりだとは思うんです。
が、「面倒なこと、難しいこと」にチャレンジするのがビジョンを実現することなのに、
それは引き受けないチームになってるって意味です。
私はこれは得意じゃないから●●さんがやってくれると期待しています。
で、たいてい●●の部分は、マーケティングやセールスだったりします。
となるとですよ?それ以外って普通に外注でいいんじゃね?ってなりませんかね。
■で?ビジョンは語らない方がいいの?
ここまで3つのデメリットを話してきました。
「じゃ、結局ビジョンは語らないほうがいいの?」って話の結論。
自分一人でも実行していく気がある人は語った方がいいです。
自分一人が面倒なことはする気があるけど手が足りないことは人に報酬を払ってやてもらう人は語ったほうがいいです。
自分が面倒だったりすることを誰か成果報酬でやってくんねーかなーと思ってるひとは我慢したほうがいいです。
とくに僕がリスクだなって思うのは、
ビジョンを語ることで実行せず知らないうちに信用を失っている状態。
これは未来になかなか取り返せないんですよね。
チームの調整が難しいってのはなんとかなるんですが、信頼だけはどうしても。。。
ってことで、ビジョンを語りたい人。
実行しないなら、きっと黙ってるほうがきっとましです。
そのお金が本当に実行する人のところに流れくれるので。
ここだけは気をつけてくださいね。
ま、あの人はいつも言うことが変わるから。って愛される人もたくんさんいますから、
悪いってことは全然ないんですけどね。
【海外渡航記】クロアチア ゼクレブへ。
先週アムステルダムでのセミナーを終えてそのままお楽しみの旅をしました。
今回は直前までどこにいくか決められなかったんですが、
クロアチアとドイツに行ってきました。
クロアチアっていっても、人気のあるドブロニクやスプリトではありません。
ドブロニクは魔女の宅急便の街のモデルと言われていて、綺麗なアドリア海、
オレンジのレンガの街並み。絶品のシーフードとかって言われるとめちゃイメージわきやすいですよね。
僕もその予定だったんですけど、同行する仲間と話した結果、
「クロアチアを知るなら首都じゃね?」
ってことで、首都のザクレブにいくことにしたわけです。
クロアチアといえば、格闘家のミルコクロコップ選手、サッカーのバドンローツを獲ったリアルマドリードのモドリッチ選手なんかが有名ですが
全くそれ以外に情報がありません。
山口県の経済規模と同じくらいの国らしいのですが
そこはEC参加国の首都です。
リゾート地のドブロニクよりは生活は便利だろうと思ったんですよね。
飲食店もたくさんあるだろうと。
アムステルダムからの飛行機が、ドブロニク行きよりも2倍くらいすることも多少は気になりましたが言ってきました。
そしたらなんと!
一生忘れない思い出になりました。
というのも、ザクレブから車で2時間くらいにあるブリトビッツェ国立公園に運転手のお兄さんに個別交渉したタクシーをで行った時のことです。
「景色で絶品で!」ということじゃなくて、帰りに事件は起こりました。
なぜか?は未だにわかりませんが、覆面パトカーに止められて、
おまけに旅慣れているとでも思ったのか油断が出たのかパスポートを持ってなかったんですよね。
クロアチアは旅行者にはパスポートの携行義務があるのでしょう。
なので、持ってない僕たちの名前とかホテルを確認され、イミグレかなにかに入国を照会したりで20分待たせて、
最後にめっちぇ怖い顔で怒られました。
こってりしぼられた?感じですね。
もちろん、ルール違反をしてあれで済んだのでよかったです。
僕は正直、タクシーの運転手と警官がグルで何かの罰金と称してお金を巻き上げられるのだと思ってたんです。
途上国だとよく聞く手口だと一番最初にこれを想像しました。
最後に怒られて解放されるまで。そう思ってました。
運転手のお兄さんは結果すごくいい人だったんですが、2重に悪いことしました。
ちなみに、私服警官です。
腰にはガン。
私服にガンを持ってる人があんなに怖いのも初めて体験しました。
しかも体はめちゃでかいし、顔も格闘家のヒョードル選手みたいな顔してて余計怖いのです。
(わかりますかね?総合格闘技で無敗だったロシアのヒーローです。ヒョードル選手みたいに強く見えるって意味ですよ?)
少額をぼられるとか、差別されるとか、そういうのは僕は不感症というかあんまり何も感じないタイプなのですが
今回は忘れない記憶になりそうです。
幼稚な反省としては、パスポート携行義務は確認しておこう。ってことと、
慣れって怖いって自戒と、
命があってよかったねと感謝しようってことですね。
とにかく思い出にはなりましたw
で。ザクレブの街?
本当に観光名所は何にもありません。
世界一短いケーブルカー。
拷問博物館。
教会。
石の門。
いくつか巡るともう終わりなんですよね。
時も悪かったんです。
国民の祝日にあたってしまって主要な店が結構休みだったのもあって残念ではありますね。
でも僕は観光名所を巡るってたびにそこまでこだわってないので、発見もありました。
・食事のシーフードが確とっても美味しい。
・イタリア料理のノリが強い・
・全部塩が強い。ちょっと塩辛いくらい。
・綺麗なデパートでもトイレがない。
・エスプレッソはカフェで飲んでも90円くらい。
・でも紳士服とかはめちゃ高いから富裕層から稼ぐようにしているのか?
・モドリッチはやはり英雄みたい。
・若者が遊ぶところがなさそうで結構夕方以降とか土日は外にいる。
・サッカーあんなに強いのにどこでやってんだろ?
あとはフランクフルトとアムステルダムでもいろいろありましたが
また次回以降にお話していきますね。
【編集後記】アムステルダムの飛行機にて|お金さえあれば・・・
アムステルダムまでの飛行機はオランダ航空。
初めて乗りましたが、エンタメで日本語のものも数点ありました。
帰りの飛行機は緩やかに過ごそうと思っていたので、映画を見ました。
「億男」
もとは川村元気さんの小説で人気小説の映画版です。
小説は読んでないですし、映画よりテレビでもいいのではと言う感じではありますが
役者さんも豪華でテーマも面白かったんで見ました。
簡単に言うと、お兄さんの保証人になったばかりに借金を3000万をかかえ
家族とも別居になってる主人公が宝くじで3億当てるけどそれを友人に持ち逃げされて
それを探す過程と前後が描かれています。
すっごいまとめると、
主人公は3000万の借金させ返せば家族も元どおりだし、幸せになれると思ってるんだけど
奥さんの気持ちはそこじゃないところで離れてるてオチです。
借金に囚われて生活すべてが借金中心になってる亭主に愛想を尽かしたということですね。
さらにすっごいまとめると、
お金さえ手にはいれば、全部解決。
ってのは違うよね。ってことだろうと。
ま映画は映画として面白いんで見てもらえればと思うんですが、
これってビジネスでもめっちゃあるなーと。
「儲かる商材さえ決まれば解決」
とか
「自分の好きなことがわかれば集中できる」
とか。
何かの1個が「手にはいったら」めでたしめでたしみたいなことって考えガチじゃないですか?
イチローは言いました。
”遠回りすることってすごく大事ですよ。無駄なことって結局無駄じゃない。遠回りすることが一番の近道。
まったくミスなしで上位にたどり着いたとしても、深みは出ない。”
だと思うんですけどねー。。。おじさんは。。